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路床高500-50leftcenterright図3鼻操り井手の路床形状鼻操り壁設置位置80cm-100-600-400-2000200400600流下距離操りは建設当初より壁のほぼ中央位置に半円形状に穿孔されていたことが推察された。また、鼻操りの壁を残すことで節約された作業量に関しては、鼻操り2基目から26基目を対象に試算した所、全長が111mで、井手の底面から地表面までの高さを約4mとすれば、鼻操りが無い場合には掘削岩量が934m 3となるのに対して、鼻操り壁面を残したことにより掘削岩量が688m 3となり、削減された掘削岩量の割合は26%となる。なお『勝国治水遣』には鼻操り井手の建設により95町1反2畝3坪(約94.3ha)の水田が開発され、税収が3倍に増えたことが記されている。馬場楠土地改良区の理事長によれば、約400年経過した現在では183町(181.5ha)の水田がこの井手の恩恵を受けている。模型実験の装置および方法現地調査より鼻操りの穴の形状は半円形に近く、穴の高さは平均130cm、壁面間の距離は平均290cmである。模型実験は縮尺率が約1/10で実施された。用いた水路は長さ5m、幅25cmのガラス製可変勾配水路で、潤辺は滑面である。鼻操りはモルタルで5基製作し、図4に示す様に等間隔で水路内に設置した。鼻操りの穴の形状は半円形とし、H 5直径22cm、壁の厚さ16cm、壁間の距離29cmとしている。なお水路床は、現状では正弦波に近い洗掘形状となって図4模型水路概略H 4いるが、建設当初は平坦に近かったと予想されることから平坦床とした。流量は熊本市水道局作成の『平成3年度白川中流域堰取水流量観測報告書』において、馬場楠堰の夏の平均取水量が3m 3 /secであることを参考とし、また分岐点における本水路への流量配分を80%と仮定してフルード相似則の下に設定されている。流速の計測位置は2ケ所で、上流より2基目と3基目の鼻操り間および5基目の鼻操りの下流位置とした。センサーには二次元電磁流速計を使用し、流速の主流方向成分と鉛直方向成分を同時計測した。実験結果境界条件から明らかなように、鼻操り間の流れは水門下流部のもぐり流出に類似しており、壁面噴流の特徴5)を表すことが予想される。座標系は図4に示す様に、流下方向にx軸、横断方向にy軸、鉛直上方にz軸を取る。図5は各鼻操り間の水面形を示す。いずれの鼻操り間においても水深は0