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特集熊本?阿蘇山との結びつき?4石橋の宝庫一村一博ICHIMURA Kazuhiro美里町石橋愛好会会長日本の石橋は、その多くが江戸から大正時代に架けられた。現存するアーチ石橋のうち多くが九州に現存している。石材の起源は阿蘇の噴火であり、その活用の歴史は古墳時代までさかのぼる。石材となる溶結凝灰岩の活用と石工集団、さらには石橋保護の活動について紹介する。日本の石橋現存する日本のアーチ石橋は約1,800基です。その内95%が九州に存在していて、大分県約500基、鹿児島県約450基、熊本県約320基、宮崎県約160基、長崎県約150基、福岡県約70基等になります。又日本一長い橋は大分県中津市本耶馬渓町の山国川に架かる8連の耶馬渓橋で、スパンと呼ばれるアーチの長さが日本一は大分県豊後大野市の大野川に架かる轟橋です。最古の橋は長崎市の中島川に架かる1634年完成の眼鏡橋と云われていますが、沖縄県那覇市の首里城公園北側の円鑑池には、1502年にリブアーチ式(縦軸積み法)で架けられた天女橋があります。中国が明の時代、琉球と交易のあった頃に伝わったと云われています。沖縄の石橋は殆どがリブアーチ式であり他の地域ではあまり見ることはできません。又眼鏡橋は日本に多くにあるセグメント式(横軸積み法)の中では最古と云われていますが、その時代は長崎県以外に殆ど伝播されませんでした。熊本の石橋熊本県の石橋は各分野でなかなかトップには出てきませんが、三つの特徴があります。一つ目は殆どが単一アーチであり、山間部に多いのが特徴です。若い人ならひとっ飛び出来るほどの川幅に架けられた石橋も数多くみられます。おそらく高度な専門知識を持った石工だけでなく、近隣の農民なども架橋の手伝いをしながら知識を得たことでしょう。石工のすそ野の広さを物語っています。二つ目は長く大きな橋などは明治後期から大正、昭和初期に架橋されています。人力に頼るしかなかった時写真1春の霊台橋写真2福岡県最大の単一アーチの洗玉橋020Civil Engineering Consultant VOL.281 October 2018