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われています。架橋に携わった石工衆は、「肥後の石工」と云われる藤原林七を祖とした種山石工集団です。これは長崎の武士だった林七を祖とした直系の子供や孫達を中心にした石のスペシャリスト集団です。種山とは今の八代市東陽町で、当時は種山村と云っていた肥後の石工発祥の地になります。そして、この石工らによって、県内山都町の通潤橋は勿論、鹿児島県では岩永三五郎による西田橋他、福岡県では橋本勘五郎による洗玉橋他、東京でも同じ橋本勘五郎によって万世橋他へと、架橋技術が伝播していきました。図1岩永三五郎・橋本勘五郎の家系図代に熊本における大小の石橋の架橋は、日本の石橋架橋のベースになったことでしょう。三つ目として熊本県美里町に全国の石橋の中でも象徴的な霊台橋があります。阿蘇近郊を源流とし、外輪山の南側を流れ有明海に注ぐ、県内屈指の大河・緑川の船津峡に架けられた魅惑的な石橋です。1847年の架橋当時は全国で最大の単一アーチ橋でした。アーチがちょうど半円形をしており、アーチ造り石橋の教科書とも云阿蘇の恵み阿蘇は東西約18km、南北約25kmのカルデラを有する世界最大級の活火山です。カルデラの中には今も活動中の中岳を有し、道路や鉄道が走り約5万人の人々が生活を営んでいます。又、阿蘇エリアには多種多様な魅力を求めて年間約2,000万人の人々が訪れます。阿蘇は、先阿蘇火山活動の後、4度の大噴火の記録があります。それらは九州の中北部、山口県の一部、そして四国の一部を大火砕流で覆いました。堆積した火砕流は溶結凝灰岩となりました。熊本県は南北と東に山があり、コの字になった西側は有明海です。偏西風に乗った湿った風は、阿蘇に全国屈指の降水量をもたらします。この地形が阿蘇の恵みの原点と考えられます。阿蘇の恵みは阿蘇エリアに限らず、熊本県は勿論、大分県、福岡県、宮崎県など広範囲に及び、以下の特徴があります。・九州の大河の源流は阿蘇地域に多くあります。例え図2阿蘇の4回の大噴火による火砕流(溶結凝灰岩)分布図図3熊本県の石橋分布図Civil Engineering Consultant VOL.281 October 2018021