ブックタイトルConsultant281

ページ
30/62

このページは Consultant281 の電子ブックに掲載されている30ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant281

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant281

特集熊本?阿蘇山との結びつき?6五感で感じる阿蘇の息吹北里康二KITAZATO Yasuji公益財団法人阿蘇地域振興デザインセンター事務局員熊本の観光名所、阿蘇山。雄大な自然が広がる一帯には、世界有数のカルデラや、草千里を代表とする景観など、熊本の魅力を感じさせる場所が多く存在する。阿蘇地域の自然を守り、観光開発と環境保全をとおして、阿蘇の魅力を発信する活動を紹介する。自然の猛威と恩恵まだ、私たちの記憶に新しい平成30年7月の「西日本豪雨」。自然の猛威は、私たちの暮らしを荒々しく襲った。活発な梅雨前線により、大雨特別警報が発令され、この集中豪雨は14府県で死者・安否不明者合わせて200人を超える甚大な被害をもたらした。かけがえのない失われた命、ただただ、ご冥福を祈るばかりである。私が暮らす阿蘇も度々台風や豪雨による洪水、山腹崩壊、さらには噴火の災害を受け続け、平成28年4月14日と16日には震度7の連発地震に襲われた。人的被害は関連死を含め200人を超え、14日の発震は前震と呼ばれた。前震という言葉は、私が記憶する限りでは、この熊本地震で初めて聞いたと思う。熊本県小国町出身の坂本善三画伯は「どんな秩序も自然の秩序にはかなわない」と、自然と対峙する姿勢を話されたそうである。豪雨や地震が自然の秩序と関係あるのか簡単に判断はできないが、この7月の猛暑、異常気象では、熱中症の疑いなど7府県で9人が死亡、気象庁も「災害と認識」するなど、経済活動優先で、快適な生活を求めてきた地球温暖化の影響があるのだろうと思いたくなる。世界有数の阿蘇カルデラは、東西18km、南北25km、阿蘇火山が30万年前から4回の大噴火をくりかえし、この巨大なカルデラをつくりあげたのは約9万年前の大噴火といわれ、その火山灰は遠く北海道まで降った堆積物が確認にされている。人々は、様々な自然の猛威と恩恵を受けながら、暮らしてきたのであろう。阿蘇山は活火山であるため、噴火という不安を抱える一方で、豊かな温泉資源や壮大な風景は観光地となっている。ここに暮らす人々は、湧水や草原、森林を管理しながら生写真1風にそよぐススキ写真2ヒゴタイと阿蘇五岳(産山村)028Civil Engineering Consultant VOL.281 October 2018