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3管理協定・住民管理規約を制定し、住民管理組合(法人)を設立横浜市立大学齊藤広子教授の監修のもと、施設管理について行政と住民の役割を明確化し、全員参加の管理組合で公共施設の管理を行うとともに、コモン(共有空間)や共同菜園を住民管理組合の所有とした。一般の分譲より管理負担が大きいことを行政が懸念していたが、組合管理という手法でこの課題を解消した。・住民管理規約を制定して、管理組合が管理費・修繕積立金を集め運用していく。・管理組合が住民のコミュニティの場となり、地域とのつながりを深める。■業務上の留意点開発協議においては、事業者側がどんなに理論を整理しても、一方的な提案が採用されることはない。過去の指導との整合性や第三者への説明など、施設管理者や許可権者にしかわからない事情に基づいているからである。主張をぶつけるだけでは「交渉」にしかならず、課題が複雑であるほど合意点を見出すことが難しい。事業の実現には、信頼関係のもと、共通の目的を見出し建設的な議論を行っていく必要がある。関係者が揃ってこのような状態になった時に初めて、今までできなかったことが実現できると痛感しているところであり、本案件もそこに至るまでが最も大きなハードルであったと思う。業務は設計や技術協議といった内容であるものの、熱意や誠実さ、共感力などが成果を左右することとなり、建設コンサルタントとして重要な資質がここにもあるのではないかと感じている。■おわりに本案件による代表的な成果は以下のとおりである。1都市開発協会から表彰民間土地開発事業者に向けて弊社がプレゼンを行い、多くの賛同を得た。また、事業の成功を受けて事業者が協会から優秀賞の表彰を受けた。2津波危険区域の集団移転に土地改良事業と集落移転を組合せた事業の委託を弊社で受注した際に、「事業の成功にはあさひガーデンプレイス(当事業の名称)の思想を取入れた住宅整備が必要である」と支持を受けた。3民間事業での取組みが急増「事業の成功」は最大の起爆剤となる。静岡県が望んでいた第1号が事業化したことにより、伊豆の国市、吉田町、牧之原市、掛川市などで「豊かなくらし空間創生住宅」の取組みが進んでいる。また、上記の直接的な成果の他にも、県のプレスリリース資料や新聞広告や販促パンフレットの素材を作成するなど、間接的に様々な経験を積む事ができた。近年はPFIなどの官民事業や産官学協働事業など、多くのステークホルダーが介在する事業が増加している。この中で建設コンサルタントは、様々なスキルを組合せ、利害を調整し、事業をマネジメントすることが求められており、これらを念頭に今後のコンサルティングを考えていかなければならないと感じている。図5採用となったロゴマーク図6ボンエルフ道路とコモンのイメージ図7共同菜園・ガーデンテラスのイメージCivil Engineering Consultant VOL.281 October 2018041