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写真2旧駅舎を利用した筑波休憩所図1つくば霞ケ浦りんりんロード(旧筑波鉄道区間)カー時代の到来により鉄道は大きな打撃を受けることとなった。元々ここの鉄道沿線は人口が少なく、筑波山観光に依存する部分が大きかった。そのため、1984(昭和59)年に筑波鉄道は茨城県と沿線市町村に対して鉄道事業の廃止を申し入れた。そして1987(昭和62)年に営業廃止となり、筑波鉄道は69年の歴史に幕を閉じた。■鉄道からサイクリングロードへ沿線市町村は、鉄道廃止反対の立場から「筑波鉄道存続対策協議会」を設置して利用促進運動等を展開していくが、1987(昭和62)年、代替えバス輸送のための道路網の整備や地域振興について茨城県の協力を条件として廃止に同意した。その後「廃止問題協議会」を設立し、県に大規模自転車道整備の陳情を開始した。これを受けて県は廃止後の状況や将来を勘案して、筑波鉄道の跡地は自転車道に整備することが適切であると判断し、建設省(現在の国土交通省)との協議の結果、大規模自転車道として整備する方向で一致し、調査に着手した。1990(平成2)年には沿線市町村が「筑波大規模自転車道建設促進同盟会」を発足し、茨城県は筑波鉄道の路線敷地を買収し、翌年から事業を開始した。1993(平成5)年には一部の供用が開始され、総事業費80億7千万円を投じ、2002(平成14)年に全線開通となった。延長は鉄道と同じ40.1kmで、完成当時は県内一の長さの大規模自転車道であった。また、旧駅舎のうち岩瀬、雨引、真壁、筑波、藤沢、虫掛の6カ所の休憩所にトイレ、水飲み場、ベンチ、駐輪場、駐車場などの施設が整備された。そして沿線市町村より愛称が公募され、1993年4月、2,719通の中から小学一年生の考案した「つくばりんりんロード」が採用写真3休憩所に設置された案内板された。その後茨城県では「回遊性のあるサイクリング」をテーマに、「つくばりんりんロード」と霞ケ浦の湖岸周回道路を結ぶコースを「つくば霞ケ浦りんりんロード」と称し、健康で快適なレクリエーションの場として、また地域住民の通勤、通学、買い物などの日常生活における安全な自転車道として利用されている。■サイクリングが楽しめる工夫サイクリングロードでは、より快適で安全・安心にサイクリングができる環境を目指して走行環境整備が進められ、ビギナーや初めて訪れた人でもサイクリングが気軽に楽しめるように工夫されている。舗装面に青と黄色で進行方向を示す矢羽根のペイントが施され、利用者にわかりやすく配慮されている。また、目的地や休憩所までの距離や周辺の観光情報を記す看板が数多く設置されている。交差点も止まらずに走行できるように「自転車道優先」が多数を占める。県は交差点改良を進め、自転車道側にあった「止まれ」の標識を自動車道路側に付け、自転車道側は「交差点横断Civil Engineering Consultant VOL.282 January 2019015