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注意」の標識のみとしている。但し交通量の多い交差点では、自転車道側に「止まれ」の標識が付けられている。また、交差点の手前は自転車が滑りにくい舗装にリニューアルしている。コースは軌道だったことからアップダウンが少なく、自転車道として道路交通法で定められた4.0m以上の幅を確保している。また、旧駅舎を利用した休憩所にはサイクルラックや固定式の空気入れ等を備え、利用者の満足度を高めている。今後は既設休憩所のリニューアルが予定されている。その他、サイクリングロードにはコンビニや飲食店、地元住民の協力で多くのサイクルサポートステーションが設置されている。さらに、土浦駅には全国初となる駅と直結したサイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」が開業し、利用者のサポート体制を充実させている。これら数々の取り組みにより、つくば霞ケ浦りんりんロード全体での利用者は2015(平成27)年度が3万9千人、2016(平成28)年度が4万8千人、2017(平成29)年度が5万5千人と右肩上がりで増加しており、2020(平成32)年度では10万人を目標としている。■走ってみてサイクリングロードの旧筑波鉄道区間は始点と終点がそれぞれJRの駅に隣接しているため、首都圏からのアクセスが抜群である。軌道敷だった起伏がほとんどないコースは見通しが良く、初心者でも十分に楽しむことができる。コース沿いには古くからの町並みを残す真壁や、岩瀬から土浦にかけては地元有志の手で植えられた桜並木が各所にあり見どころがいっぱいだ。実際に自転車に乗って始点の岩瀬駅を出発するとすぐに広大な景色が広がり、自然の魅力とともに心地よい風を存分に味わえる。途中にあるほとんどの交差点はかつて踏切であり、この道を列車が走っていたことを想像すると自然とペダルが軽くなった。また、筑波休憩所は当時のホームをそのまま残しており、ベンチに座って談笑している人があたかも列車を待っているように見えた。藤沢休憩所近くに住む地元住図2自転車が優先の交差点写真4 進行方向を示す矢羽根と安全対策の車止め民が「昔からこのあたりの景色は変わっていないよ」と教えてくれた。筑波鉄道の時代から沿線の開発があまり行われなかったことで、当時の田園風景を今でも堪能でき、田植え後の緑や収穫期の黄金色は見事だろうと想像した。コースを進むにつれ姿を変えていく筑波山も見どころの一つだ。雨引山などの筑波連山が隣接しているので、サイクリングロードから足を伸ばしてヒルクライムも楽しめる。終点の土浦駅周辺では日常の生活道路として利用され、夕方には帰宅するたくさんの高校生が自転車に乗り会話をしながら楽しそうに走っていた。このように利用者の目的によって様々な楽しみ方がある。016Civil Engineering Consultant VOL.282 January 2019