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写真5サイクルラックと固定式の空気入れ写真6通勤通学に利用されている土浦駅付近写真7ペダルを漕ぐ力をアシストするeバイク■サイクリングロードを活用した地域活性化茨城県では2016年6月に日本一のサイクリング環境構築のため「水郷筑波サイクリング環境整備総合計画」を策定した。こうした中、国において2017年5月1日に自転車活用推進法が施行された。これは国として初めて自転車活用に関する理念を定めたもので、自転車が持つ価値、活用の在り方を規定し、国、地方公共団体、公共交通関係事業者の責務を明記した画期的な法律である。これを受けて茨城県は「いばらき自転車活用推進計画(仮称)」の策定を進め、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を活用した地方創生を深化させつつ、県内各地域の特徴を最大限に活かし、地域の活性化や稼げる地域づくりを目指している。また県は、これまで行政主導で進めてきた取り組みを地域の企業・団体等とともに官民一体となって推進することとし、新たな推進体制として2018(平成30)年7月に「つくば霞ヶ浦りんりんロード利活用推進協議会」を立ち上げた。その中の広域レンタサイクル部会がレンタサイクルを行っている。事前に予約することで10カ所ある貸出施設から自転車が貸し出され、それ以外でも返却することができる。レンタルできる自転車はキッズバイクからクロスバイク、ロードバイクと種類も豊富だ。おすすめはクロスバイクだ。ロードバイクは慣れが必要だが、クロスバイクはシティサイクルに乗ったことがある人であればすんなりと乗れる。ロードバイクよりもひと漕ぎの軽さやスピードは劣るが、握りやすいフラットなハンドルで、スピードを出しても安定性を損なわない。タイヤサイズもシティサイクルやロードバイクよりも太く、安定性や乗り心地がよく、つくば霞ケ浦りんりんロードを走るにはもってこいだ。また、クロスバイクに電動アシストを追加したeバイクも人気があるようだ。これはヨーロッパで注目を集め、日本にも普及し始めたものだが、もちろんレンタル可能だ。写真8沿線地域でのサイクリングイベント■サイクリングロードの可能性日本で自転車は買い物や駅までの「アシ」といったイメージがあったが、近年は「交通体系の中で位置づけ、活用していくべきだ」という考え方が広まりつつある。2020年の東京オリンピックを契機に多くの外国人が日本、そして茨城県を訪れることとなる。かつて列車が走っていた軌道敷は新たな役割を果たし、サイクリングロードと自転車の魅力を世界に発信していくであろう。<参考資料>1)『水郷筑波サイクリング環境整備総合計画?日本一のサイクリング環境を目指して?』茨城県平成28年6月2)『追憶の筑波鉄道?鉄道から自転車道へ?』桜川市教育委員会生涯学習課平成30年2月3)『風になって走る道つくばりんりんロード』茨城県土木部道路建設課平成11年9月4)『茨城遺産つくばりんりんロード(旧筑波鉄道)』常陽藝文2006年3月号常陽藝文センター5)『筑波鉄道「地域の足」いまだ健在つくばりんりんロード』鉄道ジャーナル2013年8月号<取材協力・資料提供>1)茨城県政策企画部地域振興課2)茨城県土木部道路建設課3)関東鉄道株式会社<図・写真提供>図1、写真7山上英之図2、写真8茨城県P14上、写真4、5塚本敏行写真1関東鉄道株式会社写真2、3、6熊井彩乃Civil Engineering Consultant VOL.282 January 2019017