ブックタイトルConsultant282

ページ
22/64

このページは Consultant282 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant282

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant282

写真3宮光園写真4宮光園内の醸造樽開通当初は信号所にすぎなかった勝沼駅は、鉄道の利便性が認知され、地域住民の要望から1913(大正2)年に新駅として営業を始めた。これが今の勝沼ぶどう郷駅である。中央本線開通後、宮崎はワインの生産拡大を図るために第二醸造所を建設し、1912(大正元)年に醸造所と隣接するぶどう園を観光施設「宮光園」として開園した。ぶどう狩りとワイン工場の見学を行う、当時では画期的であった。今に続く勝沼における観光事業の礎を築いた。一方で鉄道がもたらした土木技術は、ワインづくりにも活用されている。深沢トンネルなどに用いられたレンガ積みアーチ構造物の技術を応用し、1898(明治31)年に半地下式のワインセラーが完成している。このように、中央本線やその開通に伴い建設された深沢トンネル等は勝沼におけるワイン文化の成長に貢献してきた。■勝沼タイムトンネル10 0年構想勝沼には旧深沢トンネルの他にも多くの近代産業遺産があり、1915~1917(大正4~6)年に建設され、甲府盆地を水害から守ったことで安定したぶどうの生産を可能にした勝沼堰堤や、ぶどう畑から勝沼駅にぶどうを運搬するために1914(大正3)年に架けられた祝橋(現在のコンクリートアーチ橋は1931(昭和6)年完成の3代目)など、ぶどうとワインとのつながりを持つものが多い。勝沼町ではこれらを観光資源として地域活性化に活かそうと、2004(平成16)年に『勝沼タイムトンネル100年構想』が策定された。翌年、勝沼町は合併して甲州市となったが、この構想は甲州市に引き継がれた。当時の様子をほぼそのまま残した深沢トンネルは、こJR中央本線東山梨塩山春日居町温泉20山梨市(旧日下部)国道20号線一宮御坂IC旧大日影トンネル釈迦堂PA中央自動車道勝沼IC勝沼ぶどう郷(旧勝沼)大日影トンネル旧深沢トンネル深沢深沢トンネル甲斐大和(旧初鹿野)20図1?旧深沢トンネル位置図写真5レンガ積みアーチ構造技術を応用した半地下式のワインセラー(封鎖中)笹子020Civil Engineering Consultant VOL.282 January 2019