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Z O O M U P C A M E R A E Y E Sズーム・アップ・カメラ・アイズ那覇バスターミナルも入る「カフーナ旭橋」(沖縄県那覇市)Consultant会誌編集専門委員会1914(大正3)年、軌間762mmの軽便鉄道として沖縄県営鉄道が開通するとともに、那覇駅が明治期までに埋立てられた那覇市泉崎の地に開業した。赤瓦葺き木造平屋建ての駅舎には鉄道管理所や交番が置かれていた。機関区も兼設され、転車台、機関庫、修理庫、石炭置き場等が設けられていた。ターミナル駅となった那覇駅一帯は交通の要衝として栄え、旅館や飲食店が建ち並び、久茂地川に旭橋や月見橋が架けられた。しかし、1944(昭和19)年10月10日の空襲により、賑わっていたまちも全て破壊されてしまった。1959(昭和34)年、戦後復興により那覇駅跡地は「那覇バスターミナル」として蘇った。那覇バスターミナルは沖縄本島の主要な市町村を繋ぐ唯一の公共交通ネットワークとして、再び交通の要衝として重要な役割を担うことになったのである。4つのバス会社が乗り入れる那覇バスターミナルは、都市計画法上の都市施設かつ自動車ターミナル法上のターミナルに位置付けられている。しかし、自家用車の普及等によるバス利用者の減少と建物の老朽化が進み、空き店舗の増加や設備の機能更新の遅れ等が目立つようになってきた。2000(平成12)年8月には地元が中心となった推進協議会が結成され、自らのまちの将来を検討し始めた。2003(平成15)年には沖縄都市モノレール(ゆいレール)が開業し、旭橋駅と那覇バスターミナルが近接するこの地区は、公共交通の要衝としての重要性がさらに高くなり、交通結節点にふさわしい高度利用と機能強化が求められるようになった。そして地権者や事業参加者が出資して、まちづくりの母体となる旭橋都市再開発株式会社が設立されたのである。会社は事業完成後に地域の管理運営組織に衣替えし、自らまちを育てていく役割を果たすとともに、社会に寄与するようなエリアマネジマントを目指すことになる。那覇バスターミナルを含む複合施設の竣工式が2018(平成30)年9月23日にあり、那覇バスターミナルは10写真1戦前の那覇駅構内図1戦前の那覇駅構内図(現地案内板)写真2旧那覇バスターミナルの全景046Civil Engineering Consultant VOL.282 January 2019