ブックタイトルConsultant282

ページ
51/64

このページは Consultant282 の電子ブックに掲載されている51ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant282

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant282

が、農業に従事している国民は依然として60%以上である。繊維製造業のワーカーを対象とするカンボジアの最低賃金は年々増えており、2012年は61ドルであったが、翌年から20ドル程度増え続け2018年は170ドルまでに上昇した。GDP成長率も2011年から連続7%以上であり、1人当たり名目GDPも2010年から徐々に増え、2017年時点では1,390ドルとなったが、物価上昇率も2.89%であり、収入が増えても所得が減少する世帯が多い。また、首都プノンペンと地方では所得格差が大きい。地方では自転車やバイクが主な移動手段であるが、プノンペンは車が殆どであり、レクサスが多くを占めている。首都プノンペン1431年以降、カンボジアの首都はシェムリアップから転々と移り、1966年から現在に至るまではプノンペンである。現在の人口はカンボジア総人口の約12%に相当する180万人程度であり、政治や経済の拠点としてGDPの約60%を生み出す。2014年のイオンモールオープンをきっかけに、プノンペンにはレクサス、ベンツ、アウディのような高級車ディーラーや高級ブランド品の店舗が増えつつある。プノンペンの中心はエクスチェンジ・スクエア、ワタナック・キャピタルのような代表的な商業やオフィス用中高層ビル、高級住宅、高層コンドミニアムの建設ラッシュが進み、景観を重視した街の整備が行われつつある。しかし路地裏には屋台や雑居ビルが立ち並び、歩道は車の駐車場又は売り物の展示スペースになり、道路脇の上空には混沌としたケーブル類が無秩序に束ねられている風景がまだまだ多い。その他主要都市首都の他に2つの都市が注目の的になっている。一つは世界遺産アンコールワットがあるシェムリアップ州であり、観光業が盛んで住民が潤って?栄しているようにみえるが、所得水準は2番目に低い。もう一つは南西にあるビーチリゾートで人気のシアヌークビルである。数年前までは海水浴や砂浜が観光の目玉であったが、最近は第2のマカオと言われるように、街の風景がカジノと商業施設に一変した。通信やITの水準通話は固定電話よりも携帯電話が普及している。ADSLや光ファイバーによる通信環境の整備が遅れた状況もあり、第4及び第5世代通信技術が使えるスマホが普及し、携帯電波による通信が主となっている。最近は、主要都市においては配車Grabと言ったアプリが普及し始めており、スマホが無いとそのアプリに登録できず集客できないタクシードライバーもいるほどであり、国の発展水準と使われているIT製品の技術水準には大きな格差を感じる。また近年、クレジットカードが使える店が増えており、電子マネー、オンライン決済、仮想通貨が普及し始め、キャッシュレス生活が定着しつつある。写真1首都の表写真2首都の裏Civil Engineering Consultant VOL.282 January 2019049