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特集6近土木技術者の姿代土木史における建設コンサルタント北河大次郎KITAGAWA Daijiro文化庁文化財調査官近代化を推し進める日本にとって土木技術者の存在は必要不可欠であり、西洋土木技術の導入で、明治より前の日本の土木を支えてきた組織・仕組みは官民ともに大きく変化した。現在につながる近代日本の土木を支えた土木技術者を知る。シビルエンジニアの原点古来、インフラ整備は世界各地で行われてきた。しかし長い間、シビルエンジニアという肩書きをもつ専門職は存在しなかった。シビルエンジニアとは、職業の再編・専門化が進む近代という時代に生まれた職業概念であり、1760年前後にミリタリーエンジニアの対概念として生まれたのである。当時、エンジニアという言葉は軍事技術者を指すのが一般的で、1716年に組織された英国工兵団も、ミリタリーという形容詞をつけずにただ“Corps of Engineers”と命名されていた。そのため、それらと混同しないようわざわざ「シビル」の語をつけた、というのが言葉の由来である。ではなぜこの時期、シビルエンジニアという新たな専門職がつくられたのか。彼らが誕生する前、英国で非軍写真1英国のシュロップシャー運河図1 1840年頃の英国運河網032Civil Engineering Consultant VOL.283 April 2019