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■鋼材試験まず、鋼材強度と溶接の可能性を確認するため、母材試験と溶接継手試験を実施した。母材試験の結果、調査した鋼材の状況はいずれも表層の塗装が剥がれ全面腐食が発生していたが、著しい痛みは認められなかった。引張り試験の結果、上弦材・下弦材・斜材は現行JISのSS400鋼相当、吊材はSS330鋼相当であることが確認された。また結晶粒子も均一で厚さ方向のばらつきも認められず良好な鋼材組織であることが確認できた。溶接継手試験の結果、溶接性に関しては、溶接材料の選択、開先形状の工夫、予熱等の溶接時の管理を適切に行うことで溶接可能であると判断された。しかし、溶接割れ感受性組成がJIS規格値を上回ることが判明したことから、再生は高力ボルトまたはリベットで行うこととした。■設計本橋の設計で大きな課題の一つが継手構造であった。無秩序にガス切断されている既設部材は、そのままでは再連結が出来ないので端面の整形を行った。その結果、部材寸法が短くなってしまうため、間詰め材を挟んで連結を行う構造とした。江ヶ崎跨線橋は全てリベットにより連結されていたが、再びリベットを使用すると景観上は揃うが、継手の長さが高力ボルトの場合の1.5倍程度大きくなってしまう。そこ図6支承写真3コッターピン図5コッターピンの構造で、既存のリベット孔を再利用して他注意事項等のあらゆる情報を図高力ボルトで連結した。ボルトは頭面に描き込んでいる。これは、製作が丸くリベットに似ているトルシアボを依頼したメーカーからもわかりやルトを採用し、ボルトの差し込み方すいと好評であった。向に統一性を持たせ景観に配慮し既存部材の再利用率は、床組をた。また、複数枚の板を綴じている除き67%であった。道路橋として機リベットにも腐食が見られたので、能する性能を有することを考える一部を高力ボルトで置き換えることと、再利用率は十分高く、初期の目とし、リベット頭の面積または高さ的を達成できたと考える。の1/3以上が欠損している約340本江ヶ崎跨線橋の支承は、特徴的について、支圧接合用高力ボルトにな形状の鋼製であったため、それも交換した。再生することとした。再利用に当た全ての再利用部材について、改っては、現行の道路橋示方書の耐造手順が分かる図面を作成した。震要求性能を満足させるため、鉛直すなわち、ガス切断で解体された部荷重支持機能のみを受け持たせ、材の端面の整形、再利用部材に取水平荷重支持機能は別途水平支承り付いている不要部分の取り外し、を追加することとした。既存支承の孔明け位置等の改造の手順、その再生は支承メーカーにとって難度の040Civil Engineering Consultant VOL.283 April 2019