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OVERSEASHashemite Kingdom of Jordan─ヨルダン・ハシミテ王国─中東のオアシス・ヨルダンの生活海外事情阿部寛ABE Hiroshi株式会社TECインターナショナル技術グループ/技術第3チーム中東のイメージとヨルダン一般的に「中東」と聞くと、多くの人は「テロ」「イスラム国」「シリア内戦」などのネガティブで危険なイメージを思い浮かべるのではないだろうか。実際にヨルダンの周囲はパレスチナ問題やシリア内戦、イラク戦争などの影響で未だに不安定な地域が多い。しかしヨルダン国内は安定しており、紛争による難民の受入れ先としてだけではなく、不安定な地域の緩衝材としても重要な役割を果たしている。今回はそんな中東の国、ヨルダンについて紹介したい。国土と気候ヨルダンの国土面積は北海道と同程度の8.9万km 2だが、その地形は地域によって大きく異なる。国土の大半は砂漠や岩山の連なる乾燥した地域で、時にはテレビで見るような砂嵐が発生し、巻き込まれると数時間は視界ゼロに近い状況となる。一方で西部はヨルダン渓谷と呼ばれる窪地となっており、冬でも比較的温暖な気候とヨルダン川を利かんがい用した灌漑により農業が盛んな地域となっている。ヨルダン渓谷の標高はマイナス200~400mと海面より低く、最も低いところに有名な「死海(Dead Sea)」がある。塩分濃度が海水の10倍にも及び、泳げない人でも浮いてしまうという不思議な湖である。湖畔にはリゾートホテルが建ち並び、多くの観光客が訪れる人気の観光地となっている。気候は想像していたとおりの「乾燥した灼熱の大地」で、夏季の約4カ月間は一滴の雨も降らない。この期間は本当に乾燥が厳しく、喉や肌の手入れは欠かせないが、日本の夏のように蒸し暑い熱帯夜がないた写真1巻きあがる砂嵐写真2農業が盛んなヨルダン渓谷046Civil Engineering Consultant VOL.283 April 2019