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め過ごしやすい。逆に冬季は冷え込みが厳しく、アンマンでは積雪を記録することもある。イメージに任せて冬服を持っていかないと凍えることになる。首都アンマン砂漠地帯とヨルダン渓谷の間の丘陵地帯に広がっているのが首都のアンマンである。その歴史は非常に古く、昔ながらの街並みが残る旧市街にはローマ時代の遺跡も点在している。反面、近代的な建物や巨大なショッピングモールもあり、外資系のホテル、スーパーマーケット、ファストフード店が多く進出している。外国人観光客も多く、中東を代表する大都市である。アンマンで印象的なのが、丘に沿って白い外壁の家が建ち並ぶ光景である。建物の外壁に規制を設けて景観を守っているとのことで、青い空と白い外壁のコントラストがとても美しく、訪れる機会があればゆっくり眺めてもらいたい。都市圏の人口が約250万人を数えるアンマンだが、公共交通機関は未発達でバスやタクシー以外の移動手段がなく、また渋滞も多い。さらに運転マナーが非常に悪く、事故も多いので街歩きには十分な注意が必要である。自動車が歩行者に対してパッシングした場合、日本では「お先にどうぞ」を意味することが多いが、ヨルダンでは間違いなく「邪魔!こっちが先!」という主張なので、気を付けなければならない。ヨルダンの資源中東といえば「原油が豊富である」と、例外なくヨルダンも産油国と思う人が多いだろう。しかし残念ながら原油は出ず輸入に頼っており、ガソリン1lが約160円と日本よりも写真3青い空と白い外壁の家々が並ぶアンマン郊外高価である。そして深刻なのが「水」である。乾燥した国土で大きな河川などの水源もないため、慢性的に水不足となっており、水道水の供給が滞ることもある。勤務先であるアンマン郊外の事務所内の水道が出ないこともあり、特にトイレの水が出ないなどで困った経験も多い。こういった背景から、ヨルダンには「水灌漑省」という省庁があり、水問題を重視していることが伺える。イスラム文化圏での生活ヨルダンではイスラム教徒が9割以上を占め、街の至る所にあるモスクから1日5回、礼拝のお知らせが拡声器にて大音量で流される。今では慣れたが、赴任当初は早朝のお知らせに驚いて目が覚めてしまったものだ。そんなヨルダンではあるが意外に他の宗教に対して寛容で、キリスト教徒も存在する。街で「イスラム教徒か?」と聞かれることがあるが、仏教徒や無宗教と答えても嫌な顔をされる訳でなく、ましてやイ写真4「水は大切に!」と思われるポスタースラム教への改宗を迫られる訳でもなく、単純に東洋人に興味があって聞いてみたという感じであった。イスラム教と言えば、豚肉を食べることや飲酒の禁止といった厳しい戒律が思い浮かぶのではないだろうか。豚肉についてはアンマン市内の中華料理店に行けば食べられるものの、外資系ファストフード店では豚肉を使ったメニューはなく、スーパーマーケットでも販売されていなCivil Engineering Consultant VOL.283 April 2019047