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最優秀賞「歴史の面影を感じて」神奈川県岡本芳隆(撮影地:山梨県甲州市勝沼町)[撮影者のコメント]おおひかげ大日影トンネルは、明治36年から平成9年まで中央本線下り線として使用されていたトンネルを遊歩道として整備されました。レンガ積みで造られたトンネルは、壁面にこびりついた煤煙、勾配標、キロポストなどがそのまま残され、明治の面影を感じることができます。残念ながら現在は老朽化が進み一時的に閉鎖されています。是非とも歴史的建造物を将来に残したいものです。長いトンネルの奥行を出すため広角でパンフォーカスで撮影しました。講評鉄道トンネルとして使用されていた大日影トンネルが、現在は遊歩道となっており、本作品では最奥の光差し込む出口までの距離感がたっぷり味わえます。手前には、往時をしのばせる古びたレールやスポットライトに照らされた待避所が鮮やかで、引き込まれるような魅力を感じます。(宇於﨑審査委員長)ほんのりと怪しく光る赤い壁が、脱出する映画スターの登場を待つかのようです。我が国のトンネル文化財がハリウッド映画のロケ地のように写し込まれました。マット・ペインティングが及ばない本物の迫力を感じます。(知野審査委員)トンネルと線路による力強いパースペクティブと、照明がくっきりと浮かびあげたテクスチャーから、近代化土木遺産が有する重厚な歴史への敬意を感じます。左側にわずかに現れたレンガの色味が程よいアクセントとなっています。(八馬審査委員)何処までも直線で敷かれている線路の直線美と、年代を重ねたレンガ積の壁面がライトに照らされて、黒光りと赤く光る避難場所の曲線がモダンに造られており、トンネルの暗いイメージを払拭したテクニックを知り尽くした作品です。(初芝審査委員)1903(明治36)年から1991(平成9)年まで使用されていたトンネルを遊歩道として整備されたとのこと。明治の面影を感じ、また、歴史的建造物としての重厚さを感じます。(野崎審査委員)Civil Engineering Consultant VOL.283 April 2019061