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028 Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020■ 我が国の空の玄関東京国際空港、通称「羽田空港」は、首都圏と地方とを結ぶ拠点空港であると共に、世界の主要国・地域とをつなぐ東アジアの主要空港の一つである。とりわけ発着便数、乗降客数、取り扱い荷物等で世界屈指の大空港である。首都東京を結ぶ交通アクセスが良いことから、我が国の空の玄関口として今後とも成長が期待されている。羽田空港は東京都大田区の多摩川河口部に位置する。埋め立てによる拡張を経て、現在では面積約1,500ha、滑走路4本を有する国内最大の空港となっているが、今から100 年ほど前に飛行場として産声を上げた頃は、目の前に東京湾の長のどか閑な干潟と洲が広がる小さな飛行学校であった。それがここまで発展するとは当時の誰もが想像できなかったことであろう。なぜ、世界屈指の大空港になっていったのであろうか。■ 誕生の背景から現在まで多摩川河口部は、江戸時代そして明治期あたりまでは定住人口は少なく、付近の漁師が江戸前寿司の水産物を遠浅の海岸や干潟で獲っていた。江戸後期に描かれた歌川広重の名所江戸百景に『はねたのわたし弁天の社やしろ』があり、空港へと変わる以前の多摩川河口付近の光景が描かれている。1916(大正5)年、羽田沖に干潮時には安定した干潟が出現することに着目し、「日本のライト兄弟」と言われた玉井兄弟の兄・清太郎が飛行学校を設立したことが羽田空港の元になっ首都東京と国内外を空でつなぐ「東京国際空港」東京都、大田区Tokyo International Airport - connecting the Tokyo Metropolitan Area to the rest of the world by air特集 東京を支えてきた土木施設Special Features / Civil engineering facilities supporting Tokyo株式会社ニュージェック/地圏グループ/防災地質チーム髙見元久(会誌編集専門委員)TAKAMI Motohisa東京国際空港図1  歌川広重の浮世絵『はねたのわたし弁天の社』