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Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020 031空港処理能力アップを図り、アジア方面等の旅客が双方向で拡大傾向にある。国土交通省の統計資料によれば、国内航空旅客数は年平均で3%以上の伸びを継続しており、羽田空港を利用した旅客数は毎年増加を続け、国内空港利用者数の50%以上を占めている。国内ハブ空港の証でもある。羽田空港を利用するヒト・モノ等の活発な動きが消費のみならず、物流やサービス等で東京都及び近隣地域に大きな経済波及効果をもたらしている。■ 東京そして日本を支えてきた空港羽田空港の発祥は、多摩川河口部に形成された東京湾の洲に設けられた小さな飛行場であった。第二次世界大戦後にアメリカ軍基地として整備されたことで空港の基礎が確立された。その後、返還されて我が国の高度経済成長に合わせるように民間空港として規模が拡大・発展した。東京湾に面する場所であったため、東京の市街地の成長に飲み込まれることもなく、空港を拡大できたことが現在の羽田空港の発展に大きく関わっている。東京湾周辺埋立地には物流基地等が整備され、これらが存在することも直接的・間接的に羽田空港の発展に良好な影響を与えた。空港規模の拡大は地方空港へと経済波及効果をもたらし、もはや羽田空港は東京及び近隣地域だけでなく、地方まで巻き込んだ空港となっている。■ 首都東京の大空港の今後羽田空港は、成田空港と共に我が国の空の玄関口でもあることから、諸外国に開かれたヒト・モノ等の交流をうながす重要拠点である。昨今のインバウンド促進による訪日観光客の増加に対応するためには、さらなる整備が期待される。年間発着回数増加のための飛行ルートの見直しや運用時間の見直し、夜間発着化のための交通アクセス改善は避けられない課題である。さらに先には滑走路の増設等の取り組みも必要となるであろう。今後、海外からの旅行客にとってさらに快適な空港を目指し、発展する姿がはっきり見てとれるのではないだろうか。<参考資料>1)『羽田空港の歴史(朝日選書234)』平木国夫 1983年 朝日新聞社出版局2)『検証・羽田空港 ハネダ・エアベースから跡地53ヘクタールまで』有川靖夫 2004年 早稲田出版3)『首都圏空港の未来 オープンスカイと成田・羽田空港の容量拡大(運政研叢書)』運輸政策研究機構運輸政策研究所 2010年 運輸政策研究機構4)『羽田空港物語 極限に挑む技術者たち』上之郷利昭 1997年 講談社5)『羽田の空100 年物語 秘蔵写真とエピソードで語る(交通新聞社新書106)』近藤晃 2017年 交通新聞社6)『東京国際空港C 滑走路竣工記念OKITENNOW』沖合展開事業情報誌バックナンバー集 2005年 運輸省第二港湾建設局東京空港工事事務所7)「国土交通省ホームページ」(http://www.mlit.go.jp/)8)『羽田開港80 年/東京国際空港60 年』空の日実行委員会/東京空港事務所広報チーム 2012年<取材協力・資料提供>1) 国土交通省航空局航空ネットワーク部 首都圏空港課/空港計画課<図・写真提供>図2、写真1、2、3、4 参考資料8)P28上 髙見元久写真5 惣慶裕幸写真3  超軟弱地盤の改良(ペーパードレーン工法)写真5 羽田空港国際線エリア写真4  工事中のD 滑走路