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032 Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020■ 作品概要「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズは、西さい岸がん良平の漫画『三丁目の夕日』を原作とする昭和30 年代の東京下町が舞台の日本映画である。売れない小説家や自動車修理店の一家、青森から上京してきた少女、母親に捨てられた少年、空襲で家族を失った医者らを中心に、当時の人々の笑って泣いた日々をほのぼのと描いた3部作だ。シリーズ全ての監督を務めたのは、『永遠の0』『寄生獣』などを手掛けた山崎貴。駄菓子屋を営む売れない作家に吉岡秀隆、その向かいにある自動車修理店の社長に堤真一、その妻に薬師丸ひろ子、住み込み社員に堀北真希、居酒屋の女将を小雪が演じており、豪華な顔ぶれが揃った作品となっている。貧しいけれど誰もが夢見て生きていたあの頃、その何気ない日常の出来事を通し、駄菓子屋、ちゃぶ台、力道山、タバコ屋のおばぁ、街頭テレビなど懐かしいものたちとともに人情が描かれている。そんな物語の重要な背景となっているのが「東京タワー」である。■ 東京タワーの建設計画東京タワーは、東京都港区にある高さ333mの当時世界一の自立鉄塔として登場した総合電波塔である。戦後、日本は様々なテレビ局が開業していったが、各局が建設した電波塔は150mほどの高さで、送信範囲は半径70kmほどであった。また、電波塔の位置がバラバラであったため、視聴者はチャンネルを変えるたびに、アンテナの向きを調整しなければならないので不便であった。さらに、いくつも高い塔が建っていることは、航空管制の面で危険が予想されていた。こうした問題を一気に解決するため、電波塔を一つにまとめた総合電波塔が構想された。しかし、関東一円に電波を届けるためには300m以上の高さが必要で、総合電波塔は夢の話に思われた。そこに名乗りをあげたのが、実業家の前田久吉であった。総合電波塔の構想を耳にした前田の頭に、はじめに浮かんだのは、京都の東寺にある日本一の高さの木造塔であった。「昔であってもすでにこうである。まして科学技術が伸展した現写真2 建設中の東京タワー写真1 東京タワー写真3 建設の様子第20 回「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズ(東京タワー)日本交通技術株式会社/環境調査計画部髙橋真弓(会誌編集専門委員)TAKAHASHI Mayumi