ブックタイトルConsultant286

ページ
37/60

このページは Consultant286 の電子ブックに掲載されている37ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant286

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant286

Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020 035・ 生物処理機能(有機物及び窒素を除去する)・ 沈殿機能(固形物を沈殿処理する)・ 消毒機能(大腸菌等を殺菌する)・ 放流機能(処理水を放流先までポンプによって送水する)・ 汚泥濃縮機能(沈殿した固形物(汚泥)を濃縮し減容化する)・ 汚泥貯留機能(濃縮した汚泥を貯留する)・ 汚泥脱水機能(濃縮した汚泥を脱水し減容化する)■ 早期暫定復旧と暫定供用災害発生直後には、緊急点検と緊急調査を実施しました。緊急点検は災害復旧活動を安全に実施するためのものです。緊急調査は被災状況の概要を把握し、機能障害や二次災害に繋がる要因を明らかにすることを目的に実施し、これらの結果を踏まえ緊急措置を講じます。緊急措置は暫定供用を開始するために、表2に示す復旧優先度の高い機能を回復するものです。下水処理場を早期に暫定供用するためには、先ず汚水を揚水する機能の確保、汚水の大腸菌等を殺菌する機能の確保、そして、固形物を沈殿処理できる最小限の機能の回復等が必要となります。被災3日後の7月10日からは、写真4に示す可搬式エンジンポンプにより、汚水を揚水した後、分水槽を行い、数日間で作業が完了しています。我々(上下水道コンサルタント)も水が引いた直後の7月11日から真備浄化センターに入り、緊急点検及び緊急調査を実施しました。■ 真備浄化センターの概要と被災状況真備浄化センターは、真備町地区を処理区とする下水処理場(終末処理場)で、平成16 年3月に供用開始されました。浄化センターの概要は表1に示すとおりです。汚水の処理方式は、放流先の環境保全を目的として、高度処理オキシデーションディッチ法+凝集剤添加+ 砂ろ過法を採用し、有機物除去等に加え、窒素とリンも除去しています。7月11日の被災状況確認では、ほとんどの処理施設や機械・電気設備は水没し、下水処理場の機能は完全に停止している状態でした。停止していた機能は以下となります。・ 揚水機能(汚水をポンプによって揚水する)1,1531,9731,8121,7671,9950 500 1,000 1,500 2,000 2,500岡山県倉敷市鳥取県鳥取市島根県松江市広島県広島市山口県山口市各地の年間降水量(mm/年)図1 中国地方の年間降水量写真3 真備町地区の排水状況 (出典:国土交通省 水管理・国土保全局資料)名称真備浄化センター供用開始年平成16年3月排除方式分流式処理方式汚水高度処理オキシデーションディッチ法+凝集剤添加+砂ろ過汚泥濃縮、脱水現有処理能力6,000m3/日処理面積306ha表1 真備浄化センターの概要