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Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020 039及び凍害が考えられます。従って、今回の検討においては、温度応力によるひび割れ対策及び凍害対策に加えて、コンクリート表面品質の向上検討を行いました。先行して工事が発注された中からP10 橋脚について、上記の対策を実施した上で、妥当性を確認し、次工事以降の方針を決定しました(図4)。・ 温度応力によるひび割れ対策桑折高架橋の橋脚は、鉄骨複合構造を用いたマス(質量や体積の大きい)コンクリートのため、温度ひび割れが懸念されました。温度応力解析を行った結果、外部拘束によるひび割れの可能性が確認され、対策が必要となりました。許容ひび割れ幅を0.2mm以下とするよう、ひび合抑制が課題となります。また、東北地方特有の厳しい環境下(塩害、凍害)におけるコンクリート構造物の劣化対策も課題となります。これらの課題に対しては、コンクリート構造物の高耐久化が必要となります。ここでは、その一部、(仮)桑こ 折おり高架橋(以下、桑折高架橋)の高耐久化を取り上げます。■ 桑折高架橋の概要桑折高架橋は、橋長1,218mと相馬~福島間で一番長い橋になります(図2)。上部構造は、鋼19(3+5+4+3+4)径間連続箱桁橋です。下部構造は、逆T式橋台、壁式橋脚、鋼製橋脚で、基礎構造は、場所打ち杭となっています。桑折高架橋は、相馬福島道路と東北自動車道が接続する桑折JCTから約500m東側に位置します。JR東北本線及び東北新幹線を跨ぐ橋となるため、地上高は高いところで約30mになります。18 基ある橋脚構築においては、コンクリートの高耐久化とともに施工のスピードも求められたため、JR部及び鋼製橋脚を除く橋脚については、鉄骨複合構造の採用により省力化を図りました(写真1、図3)。■ コンクリートの高耐久化に■ おける課題と対策これまでの既設橋台や橋脚の診断結果によると、大多数が10 年以内に補修が必要との報告がありました。劣化原因としては、ひび割れ図2 桑折高架橋側面図写真1 鉄骨複合構造図3 鉄骨複合構造平面図