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Consultant286

040 Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020密であることを意味します。■ P10 橋脚先行工事の対策結果前述の対策を具体的に実施する際に、6リフトに分割し、リフトごとにシートの使い分け(土木シート、湿潤シート、保温・湿潤シート)、ひび割れ抑制鉄筋の使い分け(鉄筋ピッチ)、膨張材使用の有無、パイプクーリングの有無の条件を変えて、その効果を確認しました。・ ひび割れに対してひび割れ抑制鉄筋が入っていない柱の第2リフトにおいて、鉛直方向のみに軽微なひび割れ(ひび割れ幅0.04mm)が確認されました。膨張材の添加とコンクリート温度の制御だけではひび割れ発生を十分に抑制できず、ひび割れ抑制鉄筋が有効であることが分かりました。・ 凍害対策に対して空気量は4.5~6%とほぼ目標値で施工ができたため、耐凍害性は向上しました。・ コンクリートの表面品質に対して表面目視評価の結果は、目視評割れ抑制鉄筋を追加(構造鉄筋となる帯鉄筋、中間帯鉄筋の鉄筋径(D22)及び配筋間隔(基本ピッチ@150又は倍ピッチ@300))しました(図5)。さらに膨張材の添加、打設後のコンクリートの内外温度差が大きくなることから、パイプクーリングによる温度抑制を行うこととしました。但し、寒中コンクリートでは凍結防止のためパイプクーリングは実施しないこととしています。・ 凍害対策耐凍害性の向上を目指し、目標空気量を独自に設定しました。現在のJIS規格では、空気量を3~6%としていますが、塩分環境下では、空気量が少ないと十分な耐凍害性が期待できないことが知られています。そこで、空気量の下限値を高く設定(目標空気量を5~ 6%)し、膨張材を添加することにより耐凍害性の向上を図ることとしました。・ コンクリート表面品質透水型枠の使用や保温・保湿養生シートを用いた養生期間の延長を実施しました(図6)。また「①表面目視評価」「②表面透気試験」「③表面吸水試験」を行い、コンクリートの表面品質について確認しました。① 表面目視評価とは、各リフトのコンクリート打設後に「沈みひび割れ、表面気泡、打ち重ね線、型枠継ぎ目のノロ漏れ、砂すじ」について評価し、次リフトで良好なコンクリートを施工することを目指しています。② 表面透気試験(トレント試験)とは、コンクリート表面を真空状態にし、気圧が回復するまでの時間から一次元方向の表面コンクリートの透気性を評価する手法です。表面透気係数が小さいほど表面が緻密であることを意味します。③ 表面吸水試験(スワット試験)とは、コンクリート表面で吸水速度を測定するものであり、吸水速度が小さいほどコンクリートが緻START打設時期の調整温度応力解析(パイプクーリング)目標ひび割れ指数を満足するか?温度応力解析(膨張材添加)目標ひび割れ指数を満足するか?ひび割れ制御鉄筋量の算定ひび割れ幅は0.2mm以下か?対策実施(P10橋脚)効果検証次施工への反映YESYESNONO図4 温度応力によるひび割れ対策フロー図5 追加鉄筋(赤)の配置計画図6 透水型枠の概念図