ブックタイトルConsultant286

ページ
47/60

このページは Consultant286 の電子ブックに掲載されている47ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant286

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant286

から4 年間従事したプロジェクトで建設した道路は、このサプカイ地区も通過する事から、毎日のようにこの蒸気機関車を見ていました。あれから10余年が経過した2019年4月、再びこの地を訪れましたが、当時から何も変わらない蒸気機関車がありました。鉄道ファンにはたまらない場所かと思います。南米初の蒸気機関車、最古の駅、これら歴史あるものをこれからも保存し続けて欲しいとつくづく思います。道路ネットワーク広大な面積を有するパラグアイですが、道路整備はまだ十分とはいえません。地方の多くの道路は、石畳舗装や未舗装道路(土道)です。まわせると国土の約61%の面積を占めるのに対して、人口の3%程度しか生活していません。一方、首都であるアスンシオン県とセントラル県の2県には、国土の約1%の面積に人口の約40%が居住し、特に首都周辺は人口密集地域となっています。その首都アスンシオンでは近年、著しい交通渋滞が問題となっています。急速に発展して高層ビルが多く立ち並ぶ一方、旧市街地には古い建物も多く、その町並みは歴史を感じさせます。2つの公用語2004 年1本の電話から急遽パラグアイに行くことが決定しました。私は2000 年11月から1年間、中米ホンジュラス共和国で日本の無償資金協力の施工監理業務に従事。21世紀の幕開けはホンジュラス共和国で迎え、帰国後は国内業務に携わっていました。中米での業務経験がある事からか、私に白羽の矢が立ち、急遽パラグアイ行きが決定、あわただしくパラグアイに行くことになりました。1年間のスペイン語圏での生活経験がある事から、少しはスペイン語を理解していました。しかし、現地のTVニュースを見ていて驚きました。大統領の演説が全く理解できない。何かがおかしい。現地エンジニアに「今、大統領が話していたことが全く分からないのですが」と聞くと、「あれはスペイン語ではなくグアラニー語ですよ」と言われました。「グアラニー語で大統領が演説?」と疑問に思いましたが、パラグアイでは公用語としてスペイン語とグアラニー語があるため、両方で話されることもよくあるとの事でした。これが、初めてグアラニー語の存在を知った瞬間でした。パラグアイ人は、スペイン語とグアラニー語を混ぜて会話している事が多く、地方に行くとグアラニー語が主流になります。南米初の蒸気機関車パラグアイは南米で最初にスペインから独立した国で、南米初の蒸気機関車を導入した国でもあります。パラグアイ最古の駅であるサプカイ(Sapucai)駅跡地には、現在もなお、当時を思わせる蒸気機関車が放置されています。屋内には管理された綺麗な車両が保管されていたかと思います。実はこのサプカイ地区、私の思い入れのある地区なのです。2004 年写真1  大統領府をバックにした首都アスンシオンのロゴ。パラグアイのインスタ映えスポット写真3 サプカイ駅跡地に残る蒸気機関車写真2  アスンシオン旧市街のビル群と古い教会。赤や白の花は桜に似たラパチョの花Civil Engineering Consultant VOL.286 January 2020 045