行動の背景を探る
新型コロナウィルス感染症の広がりは、日常的な行動を見直す契機となった。
情報通信技術の活用で代替可能なことがあるとわかった一方で、
必要性を再認識することもあっただろう。
広辞苑によると「行動」とは「ある事を行うこと」および
「人間や動物が示す観察可能な反応や行為」である。
行動には、半ば習慣化した行動、外部の情報に誘導された行動、
周囲に同調した行動など様々なケースがある。
では、行動はどのように生じるのか?
行動の背景は謎めいている。
様々な場面で、誰かを動かす側にまわることもある。
例えば上司が部下を、親が子供をいかに動かすかに知恵を絞る。
北風と太陽のように、相手を動かすには、
相手の心理や行動特性を理解したうえで、
最適なアプローチを選択することが重要となる。
建設コンサルタントの業務でも、
安全性、快適性などを高める目的で、対象者に行動を促すことがある。
例えば、災害に対し情報を適切に伝えて避難行動を促すことや
公共サインを配置して利用者をストレスなく誘導することなどである。
また、地球温暖化対策など効果を実感しづらい政策では、
社会全体の行動変容を促す仕掛けを考えることも必要になるだろう。
本特集では、社会の中で自分らしくありながら、
周囲と良い関係を築き、より豊かな社会を創っていくために、
「行動の背景」に注目して自分や他人への理解を深めたい。
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