平成30年度の事業計画

JCCAの紹介と理念

はじめに

 協会の最重要課題である「将来の担い手の育成・確保」のため、多くの若い優秀な人材が集まる魅力ある産業となるようi-Constructionなどによる生産性の向上・効率化に積極的に対応するとともに、働き方改革をさらに推進する。
 また、安全で安心な日常生活を送るための基盤である社会資本の重要性やその整備の推進に貢献している建設コンサルタントの役割を国民に理解されるよう広報活動に積極的に取り組み、さらには度重なる災害や今後予想される大規模災害等から国民を守り美しく豊かな国土となるよう、効率的・着実な社会資本の整備・保全のため、より高い技術力を持った知的集団として貢献できるよう、一層技術力の研鑽や向上に継続して取り組む。
 以上の活動を中心に、新ビジョンに基づき策定した中期行動計画(2014~2018)を積極的に推進するとともに、これまでの活動成果を踏まえ2019年度から始まる次期中期行動計画を策定する。

1.魅力ある建設コンサルタントに向けた環境整備とそのための活動基盤の充実

(1)執務環境の改善や効率的な業務遂行などにより一層魅力ある職場づくりとするため、建設コンサルタントが抱える諸課題の実態調査やその改善策を提案するなど、今後も建設コンサルタントがその役割を十分に果たせるよう、また、社会資本の整備・保全を計画的・着実に推進するため、発注機関等との意見交換会を継続して開催するなど積極的に活動する。

 併せて、国土交通省等に設置されている委員会に対応した様々な課題について検討を行う。

(2)働き方改革のなお一層の推進のため、建設コンサルタントの職場環境改善に向け、引き続き一斉ノー残業デーを実施するとともに、ウィークリースタンスを含めた様々な施策の実効性向上の検討や、所定外労働時間や離職問題、福利厚生関連事項等の実態調査を継続して実施する。

 また、魅力ある業界とするため若手を中心として平成27年度から活動している 「業界展望を考える若手技術者の会」を継続して開催する。

(3)建設コンサルタント業務を遂行する上で重要な建設コンサルタント登録制度に関して、地方公共団体においてより活用される制度となるよう具体的な促進策の検討を行うとともに、さらなる建設コンサルタントの地位向上のため、建設コンサルタント業務の法制化・資格制度のあり方について検討する。

(4)地域コンサルタントの健全な発展のため、地域コンサルタントの経営実態の把握や、意欲ある地域コンサルタントが選定される入札契約制度のあり方等について、引き続き検討を行う。

(5)会員の経営改善等に資すべく、会員の経営・財務状況の分析を行い経営分析説明会を開催するとともに、外部講師を招いた経営セミナーや契約のあり方に関する講習会を引き続き開催する。

 また、建設コンサルタント賠償保険制度について、制度改定を踏まえた会員のニーズへの対応、新たな業務等への新たな保険制度の必要性の検討や保険制度の義務化など、適正な責任担保制度の確立に向けて検討を行う。

2.品質の確保・向上

(1)平成23年7月に協会が策定した「品質向上推進ガイドライン」の運用状況および運用に伴うコスト把握のために実施したアンケート調査結果の集計・分析およびその調査結果を踏まえ、照査の実態と積算基準とのかい離を改善すべく工種ごとの照査実態を整理、とりまとめを引き続き行う。

(2)建設コンサルタントの技術力向上と成果品の品質確保を目的としたエラー防止のための品質セミナーや、品質確保・向上、社会資本の運用・管理のための効果的なシステムの導入支援や最新の動向を踏まえた情報提供などを目的としたマネジメントセミナーを全支部において継続して開催する。

3.技術の向上と技術力による選定の促進

(1)社会資本の本格的な維持管理・更新時代を迎え、戦略的・計画的な事業推進が求められており、点検・診断から補修・補強設計等に関する業務体系、技術基準・要領や報酬・積算体系および建設コンサルタントの役割など継続して検討し、発注機関や関係機関に協会の提案事項を発信するとともに、会員へ技術情報を提供していく。

 さらに、RCCMの点検・診断に係わる資格制度等の地方公共団体での活用促進を図る。

(2)PPP/PFI、PM/CMなど建設コンサルタントの業務領域拡大のための研究活動や、会員および地方公共団体等への啓発活動を行うとともに、建設コンサルタントの技術力向上のため、関連する各種セミナーの開催や勉強会を通じて知識や技術の習得に引き続き努める。

(3)技術力に基づく選定をなお一層促進させるため、国土交通省および地方公共団体における入札・契約制度に関する実態調査や動向調査等を継続して実施するとともに、地方公共団体に対してプロポーザル方式や総合評価落札方式を提案し普及活動を行う。

(4)建設コンサルタントが抱える様々な分野における課題や懸案事項について、方針・方向性の検討や技術力向上を目的とした他団体との連携、技術情報の提供、技術相談窓口の運営、支部との技術連携、新技術や技術基準等に関するセミナー、講習会、勉強会等を支部も含め開催するとともに、国際業務への参入を支援するためのセミナー開催について検討する。

 また、建設産業の経営の合理化と建設生産システムの効率化を図るため、i-Construction(CIM導入など)を積極的に推進する。とりわけ、調査・設計~施工~維持管理を通じた情報、ノウハウのプラットフォーム化やフロントローディングの考え方に基づく全体最適設計の実現は重要な役割となる。

 さらに、優れた業務や自主研究開発成果の発表を通じて互いの技術の研鑽を目的とした業務研究発表会を引き続き開催する。

(5)RCCM資格制度の充実のため、資格更新登録の要件となる自主学習システム教材の作成・改定と2019年度の作成方針の検討や、更新登録のあり方、資格の未来像などRCCM資格制度に係わる課題の検討を進め、必要に応じて関係規則の改定を行うとともに、2020年4月より倍増となる更新登録要件のCPD単位について周知活動を進める。

 また、平成26年12月に施行された技術者資格登録制度について、引き続き積極的に対応する。

(6)CPD制度を適正に運用するため、CPD監査の実施や会員のCPD取得の支援を目的としたセミナーの動画作成やWeb配信、 DVDの作成・配布の実施など、継続して活動する。

(7)各種技術基準類等の見直しについて検討し、必要な対応を行う。

4.広報活動の強化と社会貢献活動の推進

(1)建設コンサルタントを含めた建設産業界全体のイメージアップを図り、建設コンサルタントの役割や活動が一般国民に理解・評価されるよう、本部と支部との連携や他団体との連携を一層深めるとともに、広報活動の方向性の検討や情報収集、情報共有、それらを踏まえた情報発信を積極的に行う。

(2)中期行動計画(2014~2018)の施策である「魅力ある建設コンサルタントの広報活動の推進」のため、学生懸賞論文、建コンフォト大賞等の公募と表彰などを継続して行う。

(3)協会活動、委員会活動の広報と他団体や海外の情報を含めた様々な情報提供のため、ホームページの充実を図るとともに、会誌、年次報告書や建設コンサルタント白書等を発行する。

 また、各委員会の活動成果を必要に応じてとりまとめ公表する。

(4)社会資本整備の必要性や建設コンサルタントの理解促進のため、発注機関等への委員派遣や全国の学校への講師派遣等を行う。

 また、支部を中心として、まちづくり等へのボランティア活動に積極的に参画する。

(5)支部において締結される行政機関等との災害協定や広域災害時の支援活動等に関する課題について、その対応策などの協議を継続して実施する。

 また、災害時対応演習を今年度も継続して実施する。

5.倫理の保持

(1)中期行動計画(2014~2018)の施策である「倫理基盤の充実:倫理の基盤の支援」を推進するため、職業倫理の遵守状況に関するモニタリング調査を継続して実施する。

 また、社会環境や建設コンサルタントの役割の変化等を踏まえ、現行の「倫理綱領」の改定について検討する。

(2)平成23年5月に改定した「建設コンサルタントにおける独占禁止法等遵守のための行動計画」に基づき、支部ならびに会員企業の行動計画の実施状況をとりまとめる。

 また、外部の講師を招いた独占禁止法等に関する講習会や支部の要請に応じて講演会を開催する。

6.社会資本整備のあり方の提言

(1)建設コンサルタントの役割の提案に向けて、事業マネジメント、政策マネジメント、地域マネジメントにおける建設コンサルタントの役割について検討する。

(2)インフラストラクチャー研究所を中心として、社会資本整備の必要性と建設コンサルタントの役割について幅広く国民の理解を得るための広報活動(インフラ研通信等)や、我が国における建設生産システムに関する活動(建設コンサルタント業務の契約のあり方に関する講習等)、技術情報の提供ならびに建設コンサルタント技術者および業界に関する資質向上のための活動(道路橋技術相談窓口)、建設コンサルタントが携わる可能性のある新たな業務の発掘に向けた研究等を行い、その成果を建設コンサルタント業界に広報する。

(3)関連団体との連携を強化するため、公益社団法人日本建築家協会とのシンポジウムの開催を始めとして、関連団体の講演会・講習会への参加や情報交換を、支部を含め積極的に行う。

7.協会組織の充実と活動の強化

(1)新ビジョンに基づく中期行動計画(2014~2018)の推進を図るとともに、関連委員会および支部の行動成果をとりまとめる。

(2)2019年度から始まる次期中期行動計画を検討するためのWGを設置し、次期中期行動計画を策定する。

(3)より合理的かつ効率的な委員会運営を行うため、委員会の再編について検討する。

(4)協会活動の充実と本部・支部活動の一層の連携を図るため、本部・支部意見交換会を引き続き開催する。

(5)協会事務運営の合理化、効率化に一層努める。

8.支部活動の強化

 上記の他、支部においては地域の状況に対応した支部における様々な事業を積極的に展開する。

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