日本の土木遺産

勝山の船着場
悠久の時を感じさせる勝山の船着場
■ 悠久の時を感じさせる勝山の船着場

町並みと共存する巻石護岸「勝山の船着場」

高瀬舟の発着場跡
■ 高瀬舟の発着場跡

石巻護岸のある勝山町は岡山県の北部に位置し、中国山地を流れる旭川に沿う歴史と伝統に彩られた町である。
今も河畔には白壁づくりの家並みが続く。旭川に沿ってのびる巻石護岸が高瀬舟の発着場跡として往時を偲ばせている。
勝山は美作東部の城下町であり、岡山から旭川を遡る高瀬舟の最上流部の川港であった。勝山藩主三浦明次は高瀬舟の舟運に特に力を入れ、物資の集散地として勝山の繁栄を支えた。城下町は、高台に寺町と武家地が配置され、旭川沿いの出雲街道に面して現在まで続く町人の町が形成された。
巻石護岸は県下唯一のものであり、「ガンギ」と呼ばれる石段とともに、700mに渡って完全に残されている。巻石構造とは、柱や構造物の土際の部分を石で巻きめぐらし、腐れ留めをしたものをいう。
旭川の高瀬舟は、まさに瀬戸内と内陸を結ぶ交通の大動脈であったが、1925年の鉄道開通にともない衰退し、1934年の水害で完全に消滅した。
1985年、白壁の土蔵、連子格子と石壁の商家のある町並み、高瀬舟の発着場跡が、岡山県で初めて「町並み保存地区」に指定された。高瀬舟の発着場跡や巻石護岸は、勝山の景観を特徴づける大きな要因となっている。

【アクセス】
岡山よりJR津山線で津山にてJR姫新線に乗り換え「中国勝山駅」下車。徒歩約5分。

【地図】
googleマップで勝山の船着場の位置を確認する

「Consultant」222号
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