日本の土木遺産

三滝ダム
緑の中に佇む格子状の三滝ダム
■ 緑の中に佇む格子状の三滝ダム

日本最後のバットレスダム「三滝ダム」

大迫力の三滝ダムのバットレス
■ 大迫力の三滝ダムのバットレス

鳥取県八頭郡智頭町に位置する三滝ダムは、1937年に完成した堤高23.8m、堤頂長82.5mの発電用ダムである。ダムは兵庫県、岡山県、鳥取県にまたがる「氷ノ山後山那岐山国定公園」内にあり、豊かな自然に囲まれている。
ダム湖の水を受け止めている小さなダムは、ダム湖側からはごくありふれたダムにしか見えないが、ダム脇の遊歩道を歩いて下流側にまわると全く予期しない光景が目に飛び込んでくる。壁と梁が格子状に組まれ、ダムの内側が露わになっているその構造は、初めて目にする人には驚きを与えるだろう。
この特徴的な外観を持つ三滝ダムはバットレスダムと呼ばれる形式のダムであり、日本で最後に建設されたバットレスダムである。水圧を受ける鉄筋コンクリート版(遮水壁)を扶壁(バットレス)によって支える構造で、日本では扶壁式ダムとも呼ばれる。
日本のバットレスダムは、1923年に函館市水道局が建設した笹流ダムを皮切りに、最後のダムとなる三滝ダムの完成まで14年間で8基しか建設されず、現存するのは6基のみという希少な形式である。その希少性から三滝ダムは平成14年度の土木学会選奨土木遺産に認定されている。

【アクセス】
JR因美線「智頭駅」から県道R373、R6を経由し車で40分。

【地図】
googleマップで三滝ダムの位置を確認する

「Consultant」242号
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建設コンサルタンツ協会