日本の土木遺産

酒津樋門
15連の南配水樋門
■ 15連の南配水樋門

「酒津樋門」

高梁川側の7連の取水樋門
■ 高梁川側の7連の取水樋門

古くから栄え、白壁の屋敷や江戸時代の風情が残る美しい町並みとして知られる倉敷市。その市街地を流れる岡山県の3大河川である高梁川に面した場所に「酒津樋門」がある。1924(大正13)年に完成し、今も活用される国内最大級の水利施設群である。
この付近一帯は、高梁川が運ぶ土砂の堆積によって形成された平野部であり、江戸時代から明治時代末期の約300年間にわたり干拓が行われてきた。だが堤防は貧弱でかつ天井川であったために、たびたび洪水が起こり大きな被害が繰り返されてきた。また日照りによる干ばつを原因とする水争いも絶えなかった。このため国への度重なる陳情の末、1911年、内務省による直轄工事が開始された。河口までの全長約24kmにおよぶ築堤工事が行われ、高梁川両岸にあった11の取水樋門は統合、再整備された。
施設群に引き込まれた水は、ここで一旦貯留され、砂れきなどが取り除かれた後に、南配水樋門と北配水樋門から各地区へ分水され、倉敷市、早島町、船穂町の耕地約4,000haの灌漑用水として現在も供給され続けている。

【アクセス】
JR倉敷駅より北西へ約2km。

【地図】
googleマップで酒津樋門の位置を確認する

「Consultant」225号
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