日本の土木遺産

黒部峡谷鉄道
鉄橋を渡るトロッコ電車
■ 鉄橋を渡るトロッコ電車

黒部川電源開発のライフライン「黒部峡谷鉄道」

駅員と鉄橋と黒部峡谷鉄道
■ 駅員と鉄橋と黒部峡谷鉄道

黒部峡谷鉄道は、北アルプス北部の立山連峰と後立山連峰の間を隔てる黒部川の峡谷に沿って、宇奈月〜欅平間20.1km、標高差約375mを1時間20分で駆け抜ける山岳鉄道である。元々、黒部川の電源開発のために引かれた工事専用の単線であり、日本国内では数少ない軌間762mmというミニサイズの特殊狭軌を使用しているが、自動列車停止装置(ATS)や列車無線装置を完備し、一般の地方鉄道として運行されている。
黒部峡谷の断崖絶壁と急峻なV字谷に輝く清冽な流れ、黒々とした深い森といった豪壮な景観や川に沿って湧出する温泉といった観光資源に恵まれ、小さな客車で走るその姿は、トロッコ電車という愛称で親しまれ、年間100万人以上が利用する日本を代表する山岳観光ルートとなっている。
黒部峡谷鉄道は、観光鉄道の一方で、現在もダムの維持管理や砂防事業、黒部の電源開発のライフラインとしての機能を持ち続けている。
鉄道の沿線は、豪雪・雪崩が多発するため、例年11月30日から4月20日まで冬季運休となる。一部の線路や架線を撤去してトンネルに格納し、再び春に敷設を繰り返すという全国でも極めて珍しい鉄道線でもある。

【アクセス】
JR北陸本線「魚津」に隣接する富山地方鉄道「新魚津」で乗り換え約30分、「宇奈月温泉」下車。徒歩15分で黒部渓谷鉄道「宇奈月駅」へ。

【地図】
googleマップで黒部峡谷鉄道の位置を確認する

「Consultant」238号

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建設コンサルタンツ協会