日本の土木遺産

箱根登山鉄道
出山の鉄橋(早川橋)を渡る箱根登山鉄道
■ 出山の鉄橋(早川橋)を渡る箱根登山鉄道

天下の険を駆け登る「箱根登山鉄道」

スイッチバックを進む箱根登山鉄道
■ スイッチバックを進む箱根登山鉄道

神奈川県西部に位置し富士箱根伊豆国立公園の一部でもある「箱根」は、日本有数の温泉地であり、風光明媚な自然、多数の美術館や名所旧跡が点在する。国内外から年間約1,900万人が訪れる代表的な観光地である。火山活動の過程で形成されたカルデラ湖の芦ノ湖、湿原地帯の仙石原、爆裂火口跡の大涌谷などの多彩な風景は、多くの人々の心を惹きつけている。
箱根登山鉄道は、これらの観光資源を結ぶ鉄道線と鋼索線(ケーブルカー)からなる鉄道である。鉄道線は、海抜26mの小田原駅から海抜553mの強羅駅までの延長15.0km、標高差527mを約55分で駆け登る。レール幅1,435mmの標準軌、最小曲線半径30m、最大勾配80‰(パーミル)の単線である。途中には12のトンネルと24の橋がある。鋼索線は、レール幅1,000mmのメーターゲージ、最大勾配200‰、強羅駅から海抜767mの早雲山駅までの延長1.2km、標高差約214mである。車両はスイス製で、日本で2番目に開業したケーブルカーでもある。
登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、観光船、バスなど、多数の交通機関で箱根が周遊できる「箱根ゴールデンコース」と呼ばれるルートが確立され、箱根登山鉄道はその一翼を担い、観光の目玉の一つともなっている。

【アクセス】
JR小田原駅より小田急小田原線の箱根湯本駅で箱根登山鉄道に乗車。

【地図】
googleマップで箱根登山鉄道の位置を確認する

「Consultant」234号

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「土木遺産 日本編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 日本編」
ダイヤモンド社刊

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