日本の土木遺産

餘部鉄橋
多くの観光客を魅了する餘部鉄橋
■ 多くの観光客を魅了する餘部鉄橋

東洋一のトレッスル・プレートガーター鉄道橋「餘部鉄橋」

橋脚が民家の間からそそり立つ
■ 橋脚が民家の間からそそり立つ

日本海を望む、深い谷間のまち兵庫県美方郡香美町を跨ぐ「餘部鉄橋」。鉄橋の傍らにある無人の餘部駅を降り立ち鉄橋を見返ると、トンネルから伸びたレールがまるで空に浮かぶ不思議な光景を目の当たりにする。山腹の駅から急坂を下るにつれて、11基の赤い鉄骨の櫓の橋脚が民家の間からそそり立つ。見るものすべてを圧倒する巨大な構造に息を呑む。これがJR 山陰線のランドマークとして、鉄道ファンのみならず多くの観光客を魅了する「餘部鉄橋」の雄姿である。
支柱間隔9.14mの不の字型に鋼材を組んだ(トレッスル)橋脚11基上に、プレートガーターと呼ばれる構造形式の桁が大小交互に23 連配置されている。橋長は309.42mで地盤面からレール設置位置までの最大高さは41.45mに上る。4本足の橋脚基部は、それぞれ石積みで覆われて基礎へと繋っている。
巨費と延べ25万人の人夫、2年余りの工期を経て1912年3月に餘部鉄橋は完成した。鉄橋の竣工によって、起工以来12年の歳月をかけた山陰縦貫線全線が開通した。
しかし、90 余年の風雪に耐えた餘部鉄橋も終焉の時を迎える。強風による運行障害を避けるために架け替えされることが決定された。まもなく2010 年には現橋の山側6m の位置に「エクストラドーズドPCラーメン橋」が完成する。

【アクセス】
JR山陰本線「餘部駅」下車。

【地図】
googleマップで餘部鉄橋の位置を確認する

「Consultant」228号

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建設コンサルタンツ協会