日本の土木遺産

琵琶湖疎水
古都に佇む水路閣
■ 古都に佇む水路閣

夢の大事業「琵琶湖疏水」

哲学の道と琵琶湖疎水
■ 哲学の道と琵琶湖疏水

修学旅行などで訪れる南禅寺の水路閣、哲学の道の桜吹雪に代表される「琵琶湖疏水」は、人々の脳裏に古都・京都の風情を浮かばせる。しかし、琵琶湖疏水建設に関わった人々の熱意、歓喜そして驚きを思い浮かべる人は少ないだろう。建設当時の琵琶湖疏水は、確かに技術の粋を集めた夢の大事業だったのである。
琵琶湖から京都に導水する琵琶湖疏水は、京都の産業振興のために計画、建設された。大津市三保ヶ崎と宇治川を結ぶ舟運を開くとともに、動力(水車)、灌漑、防火用水などへ活用された。1890年に完成して以来、100年以上にわたり京都に琵琶湖の水を運び続け、今日においても約147万市民の上水道の水源や水力発電のほか、多目的な利用がなされている。
琵琶湖疏水には第1疏水、第2疏水と疏水分線がある。第1疏水と第2疏水は、大津市三保ヶ崎の取水点からほぼ並行して流れ、京都市の蹴上で合流している。蹴上には、日本初の急速ろ過式浄水場として1912年に設置された蹴上浄水場があり、市内に給水している。また、日本初の商業用発電所である蹴上発電所では、蹴上と鴨川の約36mの落差を利用した水力発電が行われている。発電所の脇から鴨川の間には、舟運のためのインクライン(傾斜軌道)も設置されている。そして、ここからは南禅寺水路閣、哲学の道へと流れていく疏水分線が分岐している。

【アクセス】
京都市営地下鉄東西線「蹴上」で下車。徒歩5分。

【地図】
googleマップで琵琶湖疏水の位置を確認する

「Consultant」238号

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「土木遺産 日本編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 日本編」
ダイヤモンド社刊

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