日本の土木遺産

丸山千枚田
眼下に拡がる美しい丸山千枚田
■ 眼下に拡がる美しい丸山千枚田

日本の原風景「丸山千枚田」

形も大きさも様々な丸山の石積み
■ 形も大きさも様々な丸山の石積み

丸山千枚田は、紀伊山地の山中、三重県南端近くの熊野市紀和町の東部に位置する丸山地区にある。標高736mの白倉(しらくら)山の山麓にある鬱蒼とした杉林の続く山中を行くと、暗い道の切れ間から、眼下に拡がる美しい棚田を見ることができる。
「耕して天に至る」と形容される棚田の風景は、見る人を感動させる日本人のふるさとの原風景でもある。1999年7月、農林水産省により全国の117市町村の134箇所に及ぶ棚田が「日本の棚田百選」として認定された。中でも紀和町丸山の千枚田は、その名の通り千を超え、名実ともに千枚田と呼ぶに相応しい日本最大規模の棚田であり、その壮大さは見る者を圧倒する。
丸山の人々は、生活のために田んぼを作った。定住する人々が増え、さらに田を拡げていった。全国的な新田開発の拡がりの中で、丸山千枚田も少しずつ、少しずつ大きくなっていったのであろう。そこには、熊野古道の石畳に見られる石積みの技術など、この地独自の技術を持つ人々の知恵が活かされていたかもしれない。
しかし、現在この地に日本最大規模の棚田があるのは、丸山の人々の何世代にもわたる努力の結晶を、同じく丸山の人々が守り続けてきたからではないだろうか。

【アクセス】
JR紀勢本線「熊野市駅」より三重交通バス「瀞流荘行き」で35分、「千枚田・通り峠入口」下車。徒歩30分。

【地図】
googleマップで丸山千枚田の位置を確認する

「Consultant」234号

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