日本の土木遺産

安房森林軌道
人力施工の切通し
■ 人力施工の切通し

新たな使命を担い走り続ける「安房森林軌道」

ヤクシカの親子と安房森林軌道
■ ヤクシカの親子と安房森林軌道

安房(あんぼう)森林軌道は、銘木“屋久杉”で知られる九州の最南端、鹿児島県佐多岬から約70kmの南南西に位置する屋久島の山岳部にある。伐採した屋久杉を沿岸部まで運材するために、大正末期に島の東部に建設された。建設当時屋久島には、他にも北東部の宮之浦森林軌道、北西部の永田森林軌道、南西部の栗生(くりお)森林軌道の計4路線が敷設された。
屋久杉は、成長が遅く年輪が綿密となり樹脂を多く含む。この樹脂により防腐・抗菌・防虫効果を生み、他の杉に比べると比重が重い。また、年輪の美しさから工芸品や建築装飾用材として珍重されている。
これらの軌道は、屋久島の森林開発の動脈として運行されていたが、昭和中期には各沿線の伐採計画の終了と共に使命を終えた。しかしながら「安房森林軌道」は島内の電力を賄う発電所の維持管理専用軌道、地場産業のための資材運材用軌道として活躍し、今でも機関車が運行されている。

【アクセス】
屋久島空港または宮之浦フェリーターミナルよりタクシーで軌道起点となる荒川登山口へ。以降は登山道に沿って散策。

【地図】
googleマップで安房森林軌道の位置を確認する

「Consultant」242号

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建設コンサルタンツ協会