日本の土木遺産

男木島灯台
総御影石造りの灯台
■ 総御影石造りの灯台

総御影石造りの灯台「男木島灯台」

2家族用に入り口が分かれている吏員退息所と灯台
■ 2家族用に入り口が分かれている
吏員退息所と灯台

男木島は、香川県高松市の北8kmに位置する南北2km東西1km、人口250人ほどの小さな島である。家々は斜面に重なり合うように建っており、道路は狭く、交通手段はもっぱら徒歩と自転車・バイクである。その男木島の北端、備讃瀬戸を一望する“トウガ鼻”に建つのが男木島灯台である。
海の道しるべである航路標識は、今日では光波標識、音波標識、電波標識等が利用されている。しかし、昔は航路標識といえば灯台であった。664年に天智天皇が、海岸防備のための通信手段として上げた狼煙が日本の灯台の始まりと言われている。男木島灯台は、日清戦争直後の海運助成策の一環として1895年5月9日に起工され、同年12月10日に点灯された。備讃瀬戸海域では、1872に出来た鍋島灯台に次ぐ2番目に古い灯台である。
男木島灯台は、内部のらせん階段までも御影石でしつらえた凝った造りになっているが、この様な総御影石造りの灯台は、全国ではここと山口県の角島灯台の2基しかない希少なものである。
1987年に男木島灯台は無人化され、吏員退息所は資料館として整備された。このような旧施設を改築した資料館は全国的にも珍しい。2003年には「完成から百年を越えた今も航行する船の安全を守っているもの」として土木学会により土木遺産として認定された。

【アクセス】
香川県高松港より雌雄島海運フェリーで40分、男木港下船。港より約1.4km。

【地図】
googleマップで男木島灯台の位置を確認する

「Consultant」229号

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「土木遺産 日本編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 日本編」
ダイヤモンド社刊

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