日本の土木遺産

藤倉ダム
藤倉ダムの俯瞰全景
■ 藤倉ダムの俯瞰全景

今も市民に親しまれている「藤倉ダム」

赤い管理橋と堰堤を流れ落ちる水紋
■ 赤い管理橋と堰堤を流れ落ちる水紋

秋田市の北東約10km、雄物川の支流である旭川の上流の藤倉の地に、堰堤を流れ落ちる水紋がとても美しい「藤倉ダム」がある。正式名称は藤倉水源地水道施設。東北地方では、同時期に完成した青森県むつ市の大湊第一水源地堰堤に次いで古い1911年に完成した水道用の重力式粗石コンクリートダムである。
1985年に近代水道100選に選ばれ、1993年には全国で初めて建造物の重要文化財である近代化遺産として指定された。大分県の「白水ダム」と愛知県の「長篠堰堤余水吐」とともに日本三大美堰堤の一つといわれている。
秋田市民の水を担った藤倉ダムは、70年近くの永きにわたり活躍したものの、秋田市の水道拡張計画に伴う雄物川への水源の切り替えにより、1973年に取水が停止された。沈殿池のあった場所は、現在水道記念公園として緑地、駐車場、園路、モニュメントが整備されて、藤倉ダム来訪の拠点となっている。
ダムは都市の喧騒空間から離れ、堰堤を越流する逞しい水音を伴う水面をもち、四季折々に変化する自然景観の中に鎮座している。近隣には秋田市が整備したレクリエーション施設などが集積しており、市民をはじめ当地区を来訪する人は多く、特に春の花見シーズンは盛況である。

【アクセス】
JR秋田駅から秋田中央交通バス「仁別リゾート公園線」で「釣りセンター前」下車。徒歩10分。

【地図】
googleマップで藤倉ダムの位置を確認する

「Consultant」238号

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