日本の土木遺産

大湊第一水源地堰堤
堰堤全景
■ 堰堤全景

日本初の石積みアーチダム「大湊第一水源地堰堤」

貯水池全景
■ 貯水池全景

青森県むつ市にある海上自衛隊大湊地方総監部前の交差点を、総監部と反対側の小道に入り、住宅の間の坂を登るとすぐに水源地公園が現れる。石積み護岸の水路に沿って歩くと、木々の緑の中から石造りの小さなダム「大湊第一水源地堰堤」が見えてくる。
アーチ型の提体には4つの櫛型アーチをした溢水口(いっすいこう)があり、その上に小さな赤い小屋が立っている。そのコントラストが美しい。
大湊第一水源地堰堤は、下北半島で一番高い釜臥山(かまぶせやま)を源流とする宇田川を堰き止めて造られた。堤高7.9m、堤長26.5m、貯水量約5,000m3という小規模なものながら、日本で初めて試みられた厚アーチ式の石造堰堤である。1909年に完成し、1945年までは海軍専用水道として使用された。翌年、海軍が解体されるとともに大湊町に引継がれ、1976年まではむつ市の上水道事業における水源地として活用されていた。現在は水源地公園として市民の憩いの場となっている。
大湊第一水源地は、1984年にむつ市文化財、1993年に青森県文化財に指定された。2001年には土木学会の『日本の近代土木遺産』にも選定されている。

【アクセス】
JR大湊線「大湊駅」よりバスで約10分「宇田」下車。徒歩約10分。

【地図】
googleマップで大湊第一水源地堰堤の位置を確認する

「Consultant」235号

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「土木遺産 日本編」
ダイヤモンド社刊

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