日本の土木遺産

貞山運河
名取川・貞山運河と名取谷地
■ 名取川・貞山運河と名取谷地

壮大なる仙台藩の基盤整備「貞山運河」

石井閘門とマイターゲート
■ 石井閘門とマイターゲート

貞山(ていざん)運河とは、1597年の初代仙台藩主伊達正宗の時代から明治期の1884年にかけて建設された海岸線沿いの内陸運河の総称である。仙台湾の海岸線約130kmのうち46kmにおよび、旧北上川から松島湾を経由して阿武隈川に至る日本で最も長い運河である。建設時期は大きく4つに分けられる。
最初に着手されたのが、阿武隈川河口の蒲崎から名取川河口の閖上(ゆりあげ)に至る15kmで、「木曳堀(こびきぼり」と呼ばれている。次に着手したのが、七北田川河口の蒲生から塩釜港までの7kmで、「舟入堀(ふないりぼり)」と呼ばれる。3番目に完成したのは木曳堀と舟入堀の間の9.5km区間で、天保年間(1830〜1843)に計画されていたが実行されず、工事が行われたのは明治に入ってからで、1872年(明治5年)に完成し、「新堀(しんぼり)」と呼ばれた。最後に完成したのが、明治政府による野蒜(のびる)築港事業としての旧北上川から鳴瀬川の間の12.8km の「北上運河」と、鳴瀬川と松島湾の間の3.2kmの「東名運河」である。
貞山運河という名称は、1881年に宮城県が塩釜から阿武隈川までの間に位置する木曳堀、舟入堀、新堀の改修を行った際、当時の土木課長早川智寛が政宗の謚(おくりな:生前の事跡に基づいて死後に子孫が名付けた称号)「貞山」にちなんで命名したものである。

【アクセス】
仙台空港駅より海側へ約300mで河岸へ。

【地図】
googleマップで貞山運河の位置を確認する

「Consultant」239号

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