世界の土木遺産

カレル橋(チェコ、プラハ)   
プラハ城より見た雄大なカレル橋
■ プラハ城より見た雄大なカレル橋

モルダウに架かるプラハ最古の橋「カレル橋」

橋塔より見た人でにぎわう橋上
■ 橋塔より見た人でにぎわう橋上

チェコの首都プラハは人口120万人の都市であり、その真中を流れるモルダウ(ヴルタヴァ)川に架かる重厚感あふれる美しい石橋が、600年間も使われているカレル橋である。今は歩道橋として観光客であふれ返っているが、その昔は、王宮と旧市街地をつなぐ、交通の要として重要な橋であった。
この地域は、川が氷結しそれが雪解けの出水で流されると、時には大きな被害を伴う洪水となった。カレル橋が建設される前の790年頃、ここには木橋が架けられていた。しかし洪水で流され、1150年に今度は石の橋が建造された。その石橋は長さ500m、橋脚が20 あり、王女の名前を取ってジュリエッタ橋と呼ばれた。200年以上にわたって使われてきたが、この橋も洪水で壊れてしまった。
神聖ローマ帝国の皇帝カレル4 世は、石橋アーチの新しい橋をジュリエッタ橋の上流側に建造した。設計は若き建築家で当時27歳のペトル・パルレーシェが担当した。新しい橋は1350年頃に着工され、50年にも及ぶ建設期間を経て1402年に完成した。ジュリエッタ橋より橋面を7m高くし、長さ515m、幅9.5mとした。これが現在のカレル橋である。橋がまっすぐでないのは、当時そこにあった建物を避けて造ったためである。
橋脚の上流側には、氷除けのために木で組んだ小さな「やぐら」が置かれている。

【アクセス】
プラハのルズィニェ空港到着ロビー正面より119番の市バスで約20分でデイヴィツカーへ。地下鉄メトロAライン(緑)に乗り換えスタロムニェスツカー駅下車、徒歩5分。

【地図】
googleマップでカレル橋の位置を確認する

「Consultant」222号

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「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

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