世界の土木遺産

タヴリーチェスキー公園橋(ロシア、サンクトペテルブルク)   )   
タヴリーチェスキー公園「西の橋」
■ タヴリーチェスキー公園「西の橋」

18世紀に作られた全鉄製の橋「タヴリーチェスキー公園橋」

タヴリーチェスキー公園「北の橋」
■ タヴリーチェスキー公園「北の橋」

ロシア第二の都市サンクトペテルブルク。市街地中心部を流れるネヴァ川河口から10kmほどにあるタヴリーチェスキー公園には、1793年に架けられ200年を過ぎた現役の二つの歩道橋がある。どちらも構造形式は鉄橋が世に登場した初期に見られるアーチ式構造である。だが材料は大方の橋が鋳鉄製であった当時では珍しく錬鉄製である。
公園の外れにひっそりと佇む「西の橋」の長さは10.6m、アーチ高さは1.2m。幅2.8mの床版は長方形の鉄板を敷いただけの簡素な橋で、両側の橋台は直接基礎の石積み構造である。一方、公園の中心にある多くの人が行き交う「北の橋」は装飾の施された2段アーチが特徴である。長さ13.0m。アーチ高さ1.4m。幅は3.7mで床版や橋台は西の橋と同じ構造である。地元の人が花を飾っているのだろうか、高欄にプランターが掛けられ、行きかう人の目を和ませてくれる。
橋は200年という歴史もあいまって、美しさだけでなく気品さえも感じられる。木橋のように細い部材で組み上げられた優雅な佇まいを見せる橋の景観が、美しい公園の中に溶け込んでいる。

【アクセス】
地下鉄1号線のChernyshevskaya駅から徒歩10分(約500m)。

【地図】
googleマップでタヴリーチェスキー公園橋の位置を確認する

「Consultant」242号

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建設コンサルタンツ協会