エジプトのポートサイドとスエズ間にある1869年に完成した「スエズ運河」は、延長164km、幅22m、深さ8mで、地中海と紅海の二つの海を結んでいる。この運河の開通により、ヨーロッパ諸国からインドや中国、日本などに向かうアジア航路はアフリカ大陸の南端を大回りする必要がなくなった。航行距離がおよそ半分、8,000kmほど短縮され、世界の海運を大きく変えた。
スエズ運河は1856年に試験的に工事が開始され、1859年には起工式が地中海側の突端で行われた。最初の4年間、運河の開削はほとんどが人力で行われ、建設機械はわずかであった。労働力として数十万人のエジプト人の農夫が徴用された。1860年には地中海側の出入口の場所に新しい港が造られ、運河建設を支援してくれたエジプト副王にちなんで、ポート・サイドと命名された。
スエズ運河では、限定された区域でしか船舶のすれ違いができない。そのため、通航船団方式という隊列を組んで一定間隔で運河を航行する。
エジプト政府・スエズ運河庁によれば、2003年現在の運河の船舶通行量は17,224隻、これは世界の総船舶通行量の約8%に当たるという。世界の海運の要路として、スエズ運河はいまも健在である。
【アクセス】
カイロからバスにて2〜3時間でスエズへ。ポートサイドまではスエズから車で約160km。
【地図】
googleマップでスエズ運河の位置を確認する
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