世界の土木遺産

アイアン・ブリッジ(イギリス、アイアンブリッジ)
セバーン川の川面に映り見事なサークルを描くアイアンブリッジ
■ セバーン川の川面に映り見事なサークルを描くアイアンブリッジ

小さな渓谷に建つ鉄の橋「アイアン・ブリッジ」

アイアンブリッジ
■ アイアンブリッジ

イギリス中部のバーミンガムから北西へ約40km、テルフォードという名の都市の南を流れるセバーン川に架かるのが世界で最初の鉄の橋「アイアンブリッジ」である。約200年以上の時を経て今も当時と変わらぬ姿を残している。かつてコールブルックデールと呼ばれていたセバーン川を挟んだこの峡谷には、川を横断する橋がなかった。乗客を運ぶ船はいくつかあったものの、いずれも馬車を運ぶことはできず、増水期は非常に危険であった。
しかしここには、近傍に鉱山があり、鉄を溶解するための燃料となる木々があり、そして川は火を起こすための水車を回す水力を生み出し、製品の安価な輸送を可能とした。
そのためこの地は、アイアンブリッジが建設された18世紀末には世界一の規模を有する製鉄所の街となった。製鉄業発祥の地、つまりイギリス産業革命発祥の地である。いまでは地名も「アイアンブリッジ」に改称されている。
1781年に開通したアイアンブリッジは全長約60mと、それほど大きくない。橋は、3つの部分から構成されており、左岸側の小さな石造りアーチ橋、右岸側の小さな2つの鉄のアーチ橋、そして最も有名な中央部の全鉄製半円アーチ橋である。このアーチ橋は、橋長30.6m、幅7.5m、橋高約12mという大きさである。

【アクセス】
ロンドン・ユーストン駅より約2時間、バーミンガム・ ニューストリート駅でシュルーズベリ行きに乗り換
え約40分でテルフォード・セントラル駅下車。路線バスに乗り約30分の終点まで。または車で約15分。

【地図】
googleマップでアイアン・ブリッジの位置を確認する

「Consultant」218号

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「土木遺産 ヨーロッパ編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

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