ノルウェー南部に位置し、複雑な海岸線と緩やかな丘陵に囲まれたスタヴァンガーは、1700年代から続くヨーロッパ最大の木の家の町である。人口約11万人のノルウェー第4の都市であり、北海油田の基地としても知られている。
全域の木造建造物群は約8,000戸に及ぶ。これらは偶然残されてきたものではない。他の都市同様に第二次世界大戦後の1946年に持ち上がった再開発計画に対し、異議を唱えた一人の市職員の意見を契機として、市と住民が一丸となって愛着ある町並みを長年にわたって守り抜いてきた成果である。
特定の文化的価値の高い建物だけを保護するのではなく、地域の町並み全体の形成を目指して歴史的建造物群をまとまりのある地区として指定し、一つ一つの建物を少しずつ、よりオリジナルの姿に近づけるというスタヴァンガーが実践してきた姿を確認できる貴重な現役の土木遺産である。
港から一段上がった場所にある奥行き100mほどの一角に「ガムレ・スタヴァンガー(古いスタヴァンガーという意味)」と呼ばれる白い壁とオレンジ色の屋根が印象的な美しい町並みがある。そこはこの街の保存・修復が始まった象徴的な場所であり、またノルウェーの町並み保存・修復活動の礎の地として大切にされている。
【アクセス】
首都オスロより西南西約300km(空路で約50分、国鉄で約8時間)。
【地図】
googleマップでスタヴァンガーの位置を確認する
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