世界の土木遺産

イェータ運河(スウェーデン、メーム〜ショートープ)
ベリーにあるイェータ運河最大の施設となる7連の閘門
■ ベリーにあるイェータ運河最大の施設となる7連の閘門

二つの海を結ぶ「イェータ運河」

ソーデルショーピンの町を流れる運河
■ ソーデルショーピンの町を流れる運河

スウェーデンの南部をほぼ東西に貫き、バルト海と北海を二つの運河と湖で結んでいる大規模なウェーデン国土横断水路「ブルーリボン」。イェータ運河はこの横断水路のバルト海側のストックホルムから南西約130kmにあるバルト海沿岸の小さな町メームより、スウェーデンで一番大きいヴェーネルン湖の東湖畔ショートープに至る全長190.5kmを繋いでいる。またその先の北海側のヴェーネルン湖の南東湖畔ヴェーネルスボリから北海に面したスウェーデン第2の都市イェーテボリまでは、トロールヘッテ運河が通じている。1832年に完成したイェータ運河は、海抜91.8mを通過する山岳運河である。この標高差を克服するため、水位調節を行う閘門は58箇所もあり、スウェーデンで最大規模の土木工事の一つと言われている。中でも、途中のロクセン湖の西湖畔ベリーにある7連の閘門は圧巻である。一方のトロールヘッテ運河は全長82km、高低差44mを6箇所の閘門で通過する。
イェータ運河は、建設時から「イェータ運河会社」により運営され、ヨーロッパでは珍しく通行が有料の運河である。年間を通して約3,000隻の船が行き交い、約200万人がこの運河を訪れ、「ブルーリボン」を6日間で巡る船旅が人気である。

【アクセス】
イェータ運河会社のある「モータラ」までストックホルムから車で約3時間半。

【地図】
googleマップでイェータ運河の位置を確認する

「Consultant」246号

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