世界の土木遺産

カナール・グランデ(イタリア、ヴェネチア)
舟の往来でにぎわうカナールグランデ(リアルト橋付近)
■ 舟の往来でにぎわうカナールグランデ(リアルト橋付近)

海上都市ヴェネチアの水の道「カナール・グランデ」

中世の街並みを抜けて海へ注ぐカナール・グランデ
■ 中世の街並みを抜けて
海へ注ぐカナール・グランデ

「水の都ヴェネチア」は、イタリア北部アドリア海最奥部ヴェネチア・メストレの沖合約5kmの地点を埋め立てて作られた海上都市である。ヴェネチアには150を超えるリオと呼ばれる小運河とカナールと呼ばれる3つの運河がある。その中で代表格である大運河、カナール・グランデは北のサンタ・ルチア駅付近から南のサン・マルコ広場付近までの逆S字型をした運河で、延長は約5kmである。
ヴェネチアの伝説上の建国は421年とあるが、実際に人々がラグーナ(潟)に移住したのは569年である。また初代ドージェ(総督)が誕生したのが697年であり、この年がヴェネチアの誕生ともいえる。当初の移住先は、リド島のマラモッコで、現在のヴェネチアは810年に外敵が侵入した事を契機に、浅瀬が多く外敵の侵入しづらいレヴァアルト(現在のサン・マルコ広場からリアルト橋の区域)に行政機構を移した後に再整備された都市である。ヴェネチアは170以上の島(埋立地)と150以上の運河からなる都市で、島全体が15〜16世紀の面影をそのまま残した町並みである。町中の道路は狭く太鼓橋が多いため、馬車さえも通行不可能で、カナール・グランデとそれに繋がる運河は現在でも生活物資の運搬や人々の生活路として利用されている。

【アクセス】
ヴェネチア空港より直通特急バス「ATVO」で約30分。空港より特急水上バスもある。

【地図】
googleマップでカナール・グランデの位置を確認する

「Consultant」222号

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「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

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