世界の土木遺産

カール・テオドール橋(ドイツ、ハイデルベルク)
ハイデルベルク城から望むカール・テオドール橋と古い街並み
■ ハイデルベルク城から望むカール・テオドール橋と古い街並み

愛され続けるハイデルベルクの象徴「カール・テオドール橋」

カール・テオドール橋とネッカー川を往く遊覧船
■ カール・テオドール橋と
ネッカー川を往く遊覧船

ドイツで一番古い大学(1386年設立)として知られるハイデルベルク大学がある街、ハイデルベルク。その中央を流れるネッカー川にカール・テオドール橋という、茶色に輝くとても美しい石橋がある。正式名称はアルテ・ブリュッケ(「古い橋」という意味)。全長198.5m、9つの連続した石造りアーチである。橋の幅は約8m、高欄・歩道部・車道部に分かれ、橋脚部にはテラスもある。横断勾配や歩車道境界部の排水枡など随所に道路橋としての工夫がされている。現在でも2t までの車は通行が可能である。
橋の左岸側(旧市街側)にある橋門は、かつて街の城壁であった一部が残ったものである。また見張りに使っていた白壁の2つの橋塔(ブリュッケン・トーア)がいまも橋門の左右にそびえ立っている。
この橋は、橋名にもなっている選帝候であったカール・テオドールの命によって1786〜88年にかけて建造された。前身は屋根で覆われた木橋(橋脚は石)であったが、1784年2月27日のネッカー川の洪水によって流され、現在が9代目である。旧市街地側から数えて2番目の橋脚には、建造主であるカール・テオドールの像が立っている。その橋脚の側面には今までの洪水位が記録され、最高水位は橋面ほどの高さでかなりの激流に耐えたことが伺える。橋脚の上流側は洪水により流された経験から、水圧を分散するために尖った形状をしている。先人達の先見の明がここにある。

【アクセス】
ハイデルベルク中央駅から約2km。

【地図】
googleマップでカール・テオドール橋の位置を確認する

「Consultant」218号

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「土木遺産 ヨーロッパ編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

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