世界の土木遺産

セーヌ河畔(フランス、パリ)
ポン・ヌフとシテ島のノートル・ダム寺院
■ ポン・ヌフとシテ島のノートル・ダム寺院

街並みが溶けこむ川「セーヌ河畔」

街並みが100年以上もほとんど変わらないサン・ミシェル橋周辺
■ 街並みが100年以上もほとんど変わらない
サン・ミシェル橋周辺

セーヌ川はフランス・パリ市内で、シテ島とサン・ルイ島と呼ばれる中州をはさんで2つに分かれ、大きく蛇行する。河川の勾配は1/15,000程度と緩やかで、川の雰囲気もゆったりとしている。ノートル・ダム寺院の上流からエッフェル塔のあたりまでの河岸を含めた約5kmの河畔の区間が世界遺産として登録されている。
セーヌ川は川の代表選手のように言われることが多いが、川としては何の変哲もない。周辺には川の眺望を楽しめるようなレストランもなく、全般的に散策する人も多いとは言えず、川の水も見た目にはきれいとは言えない。しかしながら、セーヌがパリを代表する言葉となっているのは、美しい橋や、川沿いの町並みのせいであろう。セーヌ川に架かる全ての橋は、橋下で支える構造である。このため、橋が川沿いの街並みを遮ることなく、橋の上から街を眺めることを可能としている。川沿いの建物は高さ制限によって高さが保たれ、異質な様式の建造物がない。さらには、散策道として利用されている高水敷には、マロニエが植えられ、護岸は石張である。セーヌ川はこれらの要素が融合し、心地よい空間を提供している。

【アクセス】
地下鉄9号線アルマ・マルソー駅下車。または RER(郊外地下鉄)C線のポン・ド・ラルマ駅下車。

【地図】
googleマップでセーヌ河畔の位置を確認する

「Consultant」218号

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「土木遺産 ヨーロッパ編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

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