世界の土木遺産

ヴェルサイユ庭園(フランス、ヴェルサイユ)
多くの人々を魅了し続けるヴェルサイユ庭園の中心軸
■ 多くの人々を魅了し続けるヴェルサイユ庭園の中心軸

絶対王政の夢のあと「ヴェルサイユ庭園」

チトリアノンに隣接した疑似農村内に建つ王妃の家
■ プチトリアノンに隣接した
疑似農村内に建つ王妃の家

ヴェルサイユ庭園は、フランス・パリの西南西約20km に位置するヴェルサイユ市にある。17世紀に栄華を極めたブルボン王朝の絶対権力の象徴であり、また王家の人々や従事した技術者達の夢の名残りでもある。
その歴史は、ルイ13世がフィリベール・ル・ロワに命じて建築させた「狩の館」の庭をジャック・ド・ムヌールが1631年から1636年にかけて造園したことで幕を開ける。当初はごく小規模なものであったが、ルイ14世が親政を開始して数年たった1663年から大々的に拡張されていった。庭園拡張計画の中心人物であるアンドレ・ル・ノートルは、1663年からヴェルサイユ庭園の工事に取り組み、複雑な地形のこの場所に自分の得意とする遠近法の原理や光学的な手法を積極的に採用した。その結果が幾何学的な「花壇」や「泉水」の配置、直線状に延びる「大運河」として表現されている。ル・ノートルの設計思想の基本は「全体を軸線上に対称に配置し、細部に見られる奇抜なデザインとのバランスを図る」ものである。これが、ヴェルサイユ庭園がフランス式庭園の代表であると評価される理由である。ルイ14 世は常にこの庭園に強い関心を持ち続け、多くの人々に紹介する目的で自ら『ヴェルサイユ庭園見学の手引き』と題する本を著している。1682年、宮廷はパリからヴェルサイユに移された。

【アクセス】
高速郊外地下鉄RERのC5線でパリから約30分。終点のヴェルサイユ・リーヴ・ゴーシュ下車。徒歩5分。

【地図】
googleマップでヴェルサイユ庭園の位置を確認する

「Consultant」218号

さらに詳しくご覧になりた方は、
<<「Consultant」218号 掲載記事へ

掲載記事をご覧になるには
Adobe Reader
が必要です。

「土木遺産 ヨーロッパ編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

建設コンサルタンツ協会