はじめに
平成26年6月に改正された品確法の精神に基づき、多くの若い優秀な人材が集まる魅力ある産業となるよう活動を強化するとともに、建設コンサルタントの役割やその活動が国民に十分理解されるよう広報活動に積極的に取り組む。
また、度重なる災害や今後予想される大規模災害等から国民を守り美しく豊かな国土となるよう、効率的・着実な社会資本の整備・保全のため、技術力の研鑽や向上に継続して取り組む。
1.魅力ある建設コンサルタントに向けた環境整備とそのための活動基盤の充実
(1)
執務環境の改善や効率的な業務遂行などにより一層魅力ある産業とするため、建設コンサルタントが抱える諸課題の実態調査や改善策を提案するとともに、今後も建設コンサルタントがその役割を十分に果たせるよう建設コンサルタントの活用の提案を行う。
また、社会資本の整備・保全を計画的・着実に推進するため、発注機関等との意見交換会を継続して開催し積極的に活動する。
併せて、国土交通省等に設置されている委員会に対応した様々な課題について検討を行う。
(2)
建設コンサルタントの職場環境改善を目指し、引き続きノー残業デーを官民一体で推進する。
また、所定外労働時間や離職問題等の実態調査を継続して実施する。
(3)
建設コンサルタント登録制度の運用・活用状況について情報収集し、より活用される制度とするため検討を行うとともに、建設コンサルタント業務の法制化・資格制度のあり方について検討する。
(4)
地域コンサルタントの健全な発展のため、地域コンサルタントの経営状況の分析を行うとともに、意欲ある地域コンサルタントが選定される入札契約制度のあり方の検討と提案、広域展開コンサルタントとの連携、地域コンサルタントの将来像等について、引き続き検討を行う。
(5)
協会会員の経営・財務状況の分析を行い、経営分析説明会を実施するとともに、建設コンサルタントの生産性の特性を分析し、会員の経営改善等に資するため経営セミナーを開催する。
また、建設コンサルタント賠償保険制度について、保険料の支払いの増加に伴う会員のニーズへの対応、保険制度の義務化や新たな業務等への保険制度の必要性の検討など、適正な責任担保制度の確立に向けて検討を行う。
2.品質確保・向上
(1)
平成23年7月に協会が策定した「品質向上推進ガイドライン」の運用状況及び運用に伴うコスト把握のために実施した平成26年度及び平成27年度業務を対象としたアンケート調査結果の分析集計及び国土交通省の施策の運用状況等について分析集計を行うとともに、今後のアンケートの継続や新たな調査の必要性について検討する。
(2)
建設コンサルタントの技術力向上と成果品の品質確保を目的としたエラー防止のための品質セミナーや、品質確保・向上のための効果的なシステムの運用に関するマネジメントセミナーを全支部において開催する。
3.技術の向上と技術力による選定の促進
(1)
社会資本の本格的な維持管理・更新時代を迎え、戦略的・計画的な事業推進が求められており、保全事業の全体系が統合的、一体的に機能するシステム構築や適正な業務体系のあり方等を目指して技術検討活動を行い、発注機関や関係機関に協会の提案事項を発信するとともに、会員へ技術情報を提供して行く。
(2)
PFI/PPP、CMなど建設コンサルタントの業務領域拡大のための研究活動やPR、会員及び地方自治体等への啓発活動を行うとともに、建設コンサルタントの技術力の向上、知識や技術の習得のため関連する各種セミナーの開催や勉強会を開催する。
(3)
技術力に基づく選定をなお一層促進させるため、国土交通省及び地方自治体におけるプロポーザル方式・総合評価落札方式により発注された業務の実態調査を継続して実施するとともに、国内外の多様な選定方式事例・関係法令を踏まえ、国土交通省及び地方自治体等へ調達方式の普及・提案を行う。
(4)
建設コンサルタントが抱える様々な分野における課題や懸案事項について、方針、方向性の検討や技術力向上を目的とした他団体との連携、技術情報の提供、技術相談窓口の運営、支部との技術連携、新技術や技術基準等に関するセミナー、講習会、勉強会を支部も含め開催するとともに、情報高度化への支援、電子入札に関する情報収集、情報技術の広報・普及等を行う。
また、優れた業務や自主研究開発成果の発表を通じて互いの技術の研鑽を目的とした業務・研究発表会を引き続き開催する。
(5)
RCCM資格制度の充実のため、維持管理分野における技術者資格登録制度に対応するとともに、資格更新登録のあり方、資格複数登録者の負担軽減、資格の未来像等のRCCM資格制度に係わる課題の検討を進め、必要に応じて関係規則の改定を行う。さらに、自主学習システム教材の作成・改定と平成28年度の作成方針の検討を行う。
(6)
CPD制度を適正に運用するため、CPD監査の実施、協会会員のCPD取得の支援を目的として、協会が実施するCPDプログラムの情報収集、アンケート調査、講習会の開催及び講習会DVDを制作する。
また、CPDシステムの改良を踏まえCPD制度が定着するよう活動する。
(7)
各種技術基準類等の見直しについて検討し、必要な対応を行う。
4.広報活動の強化と社会貢献活動の推進
(1)
建設コンサルタントを含めた建設産業界全体のイメージアップを図り、建設コンサルタントの役割や活動が国民に理解・評価され、多くの優秀な人材が参加する産業となるよう、本部と支部との連携を深め、広報活動の方向性の検討や情報共有のための活動を行うとともに、本部・支部の広報活動の情報収集とそれを踏まえた活動の発展的な提案を含めた情報発信を行う。
(2)
国内外の各種の情報提供や会誌の発行、小学生を対象とした体験レポートコンテスト、学生懸賞論文の公募、建コンフォト大賞等の広報活動を継続して行うとともに、新規の広報コンテンツの検討と提案を行う。
(3)
協会活動、委員会活動の広報と海外の情報を含めた様々な情報提供のため、ホームページの充実を図るとともに、会誌、年次報告書や建設コンサルタント白書等を発行する。
また、各委員会の活動成果を必要に応じてとりまとめ公表する。
(4)
社会資本整備の必要性や建設コンサルタントの理解促進のため、発注機関等への委員派遣や全国の学校への講師派遣等を行う。
また、支部を中心として、まちづくり等へのボランティア活動に積極的に参画する。
(5)
協会の災害時対応演習要領等の改定を行うとともに、今後支部において締結される行政機関等との災害協定や広域災害時の支援活動等に関する課題について、その対応策などの協議を継続して実施する。また、災害時対応演習を今年度も継続して実施する。
5.倫理の保持
(1)
企業及び技術者の職業倫理を徹底するために策定した「職業倫理啓発の手引き」、「建設コンサルタント技術者のためのコンプライアンスの手引き」の普及促進のため、関係委員会と連携し必要に応じて講習会を開催する。
(2)
平成23年5月に改定した「建設コンサルタントにおける独占禁止法等遵守のための行動計画」に基づき、支部ならびに会員企業の行動計画の実施状況をとりまとめるとともに、国の動向を踏まえ必要に応じて独禁法遵守マニュアルの改訂を行う。
また、支部における独占禁止法の法令遵守のための講演会や外部の講師を招いた独占禁止法に関する講習会を開催する。
6.社会資本整備のあり方の提言
(1)
建設コンサルタントの役割の提案に向けて、協会内外のヒアリングの実施、役割の整理と課題抽出等を行う。
また、インフラストラクチャー研究所を中心として、建設コンサルタント業界に資するため、大規模プロジェクトの立案・検討や契約のあり方・発注方式・業界認知度の引き上げ・地位向上、社会情勢の変化に伴う社会資本整備の新たな仕組みや技術などについて調査研究し、関係機関に提言する。
(2)
関連団体との連携を強化するため、(公社)日本建築家協会との協働研究や協働セミナーの開催を始めとして、関連団体の講演会・講習会への参加や情報交換を、支部を含め積極的に行う。
7.協会組織の充実と活動の強化
(1)
新ビジョン「自律した産業への転換」に基づく中期行動計画(2014〜2018)の推進のため、関連委員会及び支部の当該年度における行動実績のとりまとめ及び行動計画について検討する。
(2)
協会活動の充実と本部・支部活動の一層の連携を図るため、本部・支部意見交換会を引き続き開催する。
(3)
協会事務運営の合理化、効率化に一層努める。
8.支部活動の強化
上記の他、支部においては地域の状況に対応した支部における様々な事業を積極的に展開する。