ブックタイトルConsultant_263

ページ
19/88

このページは Consultant_263 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant_263

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant_263

見守りセンター鵜住居地区サポートセンターNTTドコモ連携仮設住宅団地支援連絡員血圧・心拍等の測定情報生活行動センサー情報別居親族岩手県立大・岩手県社協・青森県社協連携サポートセンター職員と直接話ができる独居の高齢者等盛岡市立病院等連携おげんき発信(1日1回・着信課金)電力中央研究所連携1.げんき2.少しげんき3.わるい4.話したい図7 ?第4次おげんき発信で使用している電力使用による生活行動センサーとおげんき発信一体型みまわり図8 ?第4次おげんき発信における釜石市鵜住居地区の取り組み通報、センサーなどのICTを活用した安否確認システムを使い分けることと併せて、確実な安否確認をするみまもりセンター機能など人的な見守り体制をつくることが、孤立予防とコミュニティ再構築の有効な手段であることを実証してきた。重要な点は、見守りをされる側の自発性・自立性を可能な限り活かすことと、血圧測定結果などのデータを住民や地域の医師が活用できるようにすることである。こうした取り組みにより、おげんき発信がない利用者をサポートセンター職員が訪問し、脳梗塞や心臓発作で倒れているのを発見し、救急搬送をする等の事例も複数でている。血圧測定データに対する医師のコメントをサポートセンター職員が住民に届けて受診を促すなど、医療・福祉が連携しながら予防的な措置も可能となった。サポートセンター職員や仮設住宅団地支援連絡員のように、見守りやみまわりをその役割とする人にとっては、ICTの活用による安否確認の精度の高まりが、不安感の軽減につながっている。今後の具体的な展開被災地において見守りの仕組みを稼働させることにより、フィールドで孤立死はでていないが、自殺は防ぎきれていない。そこで、岩手県精神保健福祉センターの黒澤美枝医師の協力を得て、みまもりセンターの職員や民生委員と地域住民である見守り者を対象とした自殺予防のゲートキーパー研修を試行的に実施したところ、研修効果やニーズが確認できたため、研修プログラムを開発中である。また、民生児童委員協議会の再構築や、生活支援型のサービスメニューが増えてきていることから、みまもりセンターと民生児童委員や民間の配達業者との連携策の拡充も検討している。ICTを活用した見守りのシステムのデバイスは多様化が著しい。そこで、被災地で導入されている多様なデバイスの見守りシステムをつなげ、そこから把握される安否・異変情報を地域の医療・福祉ネットワークのなかで共有できる仕組みづくりへ展開させることを検討している。これが、図2に記した第5次おげんき発信の取り組みで、まずは産官学の参加する研究会を立ち上げることになった。これまでのおげんき発信の取り組みは岩手県と青森県を中心とするものであったが、最近は福島県の広域避難者のコミュニティづくりや、宮城県における仮設住宅住民への支援にも関与している。今後は、東日本大震災の被災地全体の取り組みの連携を視野に入れながら、しかし被災地それぞれの地域性やニーズにあったコミュニティづくりを重視して、取り組みを継続していきたいと考えている。<引用・参考文献>1)?小川晃子・狩野徹・直井道子他,2011,「ICTを活用した高齢者生活支援型コミュニティづくり」プロジェクト実践報告」『岩手県立大学社会福祉学部紀要』13:65-69.2)?小川晃子,2012,「ICTを活用した高齢者安否確認の実践研究―被災地での無線ネットワーク活用への期待」『電波技術協会会報FORN』286: 48-51.Civil Engineering Consultant VOL.263 April 2014017